三菱電機、第3四半期累計で売上高が初の3兆円超え--営業利益も過去最高

 三菱電機は2月2日、2015年度第3四半期累計(2015年4~12月)の連結業績(米国基準)を発表。売上高は前年同期比3.6%増の3兆916億円、営業利益は3.0%増の2073億円、税引前四半期純利益は0.9%減の2187億円、当期純利益は4.9%増の1528億円となった。

 第3四半期(2015年10~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.8%増の1兆283億円、営業利益が0.5%増の803億円、税引前四半期純利益が14.6%増の856億円、当期純利益が25.4%増の598億円となった。

三菱電機 常務執行役 松山彰宏氏
三菱電機 常務執行役 松山彰宏氏

 常務執行役の松山彰宏氏は「第3四半期累計で売上高が3兆円を超えたのは初めてのこと。営業利益、当期純利益も過去最高となった。第3四半期でも売り上げ、利益の各項目で過去最高となった。重電システム部門、産業エレクトロニクス部門、電子部門、家庭電器部門が増収。産業メカトロニクス部門、電子デバイス部門、家庭電器部門が増益になった」と総括した。

 セグメント別の第3四半期累計業績は、重電システムが売上高が前年同期比4%増の8086億円、営業利益が141億円減の183億円。社会インフラ事業での国内電力事業、交通事業の増加に加えて、円安効果がプラスに働いたほか、ビルシステム事業で海外昇降機の新設事業と国内リニューアル事業が堅調で、受注と売り上げともに前年実績を上回った。

 「国内でのスマートメーターの販売が増加している。スマートメーターは、メーター部、通信ユニット部、メタデータマネジメントシステムの3つの区分で入札、受注が行われているが、当社は、2015年度見通しで300億円規模のビジネスが想定され、前年比で6割増の伸びになっている」としたほか、「昇降機は香港やASEAN(東南アジア諸国連合)で新設需要があったが、中国では減少している」という。

 産業エレクトロニクスは、売上高が6%増の9887億円、営業利益が189億円増の1271億円。FAシステム事業では、中国を中心とした新興国での設備投資が停滞。だが、自動車関連の設備投資と国内製造業での設備更新の増加が寄与し、落ち込みをカバーしたという。

 情報通信システムでは、売上高が3%減の3638億円、営業利益が85億円減の44億円。通信システム事業では通信インフラ機器の減少が影響。一方で、情報システム・サービス事業はシステムインテグレーション事業の増加により売り上げが増加。電子システム事業は受注が前年同期を上回ったものの、防衛システム事業の大口案件の変動で売上高は前年を下回ったという。

 電子デバイスは売上高が3%増の1661億円、営業利益が29億円増の189億円。電鉄用、産業用、民生用のパワー半導体の需要減少があったものの、自動車用パワー半導体、通信用光デバイスなどが増加した。

 家庭電器は、売上高が6%増の7313億円、営業利益が70億円増の481億円となった。国内向け家庭用と業務用の空調機器や冷蔵庫が好調に推移。欧州、アジア、北米向け空調機器の増加に加えて、円安もプラスに影響した。

 「中国市場向けの空調機器は、市場が在庫調整局面に入っていることもあり、需要が減少した。だが、欧州市場は、南欧で夏の猛暑の影響でエアコンの在庫が捌け、10月以降も在庫補充の動きがみられたのに加えて、北欧では冬場のエアコン需要が増加。ロシアの減少をカバーする形になった。米国市場も堅調な景気拡大を背景に、家電は好調に推移した。国内では、空調機器が好調であったのに加えて、10月に発売した冷蔵庫『置けるスマート大容量シリーズ』が好調な売れ行きをみせている」

 その他部門は、売上高が前年同期比5%減の5096億円、営業利益が2億円減の136億円。資材調達の関連会社での減少などが影響したという。

 太陽光発電システムについては、住宅用が第3四半期に前年並で推移したものの、メガーソーラーを中心とした公共・産業用が半減。太陽光発電システムの通期売上高は25%減程度になると予測した。

 地域別では、第3四半期累計の日本向け売上高が前年並みの1兆6818億円、海外が8%増の1兆4098億円。海外のうち、北米が16%増の3316億円、アジアが7%増の7292億円、欧州が5%増の2825億円、その他地域が3%増の663億円となった。第3四半期は中国での売り上げ減少が顕著で前年同期比20%減になっているという。

 「第3四半期は中国での重電システムが28%減、パワー半導体を中心に電子デバイスの減少が18%減、家電のエアコンの低迷で17%減となった」

 2015年度の通期見通しは据え置き、売上高は前年度比1%増の4兆3800億円、営業利益は6%減の3000億円、税引前利益は2%減の3150億円、当期純利益は6%減の2200億円とし、減益計画を維持することとした。第3四半期累計や第3四半期実績で過去最高の利益を達成しているものの減益計画を据え置いた。

 「FAシステムで第2四半期(2015年7~9月)以降、受注が前年実績を下回っており、短期での回復が難しい。特に前年度第4四半期(2015年1~3月)は、スマホ需要の増加を背景にした設備投資が活発であり、今年度はその反動で大きく落ち込むことになる。中国のスマホ需要が低迷していることもあり、回復期が見えない。電子デバイスも、前年度第4四半期に大口案件を計上した反動がある。この2つの事業セグメントが厳しいが、それ以外の事業は、第4四半期(2016年1~3月)で前年同期前後の実績を見込んでいる。結果として、第4四半期は減収減益になる見込みだ」

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