ヤフー出資の「BuzzFeed Japan」、4カ月の準備期間を経て公開--記事は世界に発信

 古田大輔氏が「BuzzFeed Japanを選んだ12の理由」。

 古田大輔氏が「BuzzFeed Japanを選んだ12の理由」。

 米BuzzFeedとヤフーの合弁会社であるBuzzFeed Japanは1月19日、同ニュースサイトの日本版「BuzzFeed Japan」を公開。翌20日に都内で記者発表会を開き、BuzzFeedの海外展開戦略やBuzzFeed Japanの編集方針を説明した。

左から、BuzzFeed編集長のベン・スミス氏、BuzzFeed Japan創刊編集長の古田大輔氏、BuzzFeed Japan代表取締役の高田徹氏
左から、BuzzFeed編集長のベン・スミス氏、BuzzFeed Japan創刊編集長の古田大輔氏、BuzzFeed Japan代表取締役の高田徹氏

 BuzzFeed Japanは2015年8月12日に設立。出資比率はBuzzFeedが51%、ヤフーが49%。資本金は非公開だ。BuzzFeedは海外版を、英国、インド、オーストラリア、カナダ、スペイン、ドイツ、ブラジル、フランス、メキシコですでに展開しているが、現地企業と合弁会社を設立するのは日本が初めてとなる。

 このタイミングでの日本市場参入について、BuzzFeedの編集長であるベン・スミス氏は、「もし10年前に可能だったのなら、そうしたかった。日本市場に展開することは自然だと思っている。他国の市場で経験を積んでいたため、このタイミングになった」と説明した。

BuzzFeedについて
BuzzFeedについて

 BuzzFeedは、政治や経済などのニュースから、動物やネットで話題のネタなどを扱うエンタメ性の強い記事や動画までを幅広く制作し、TwitterやFacebookなどのプラットフォームにそれぞれ適した形で配信しているのが特徴だ。「シェアされるコンテンツ」を作るために、独自のデータ分析により、「コンテンツの拡散傾向」や「記事の読了率」などを把握できるようにしているという。

 日本版でも同様の手法を取り入れて各種コンテンツを制作する。編集部ですべてを内製し、他媒体からの寄稿などは受け付けない方針。ただし、BuzzFeedのグローバルネットワークを生かし、各国編集部が制作したコンテンツを日本向けに翻訳、解説したり、反対に日本版のコンテンツを各国のBuzzFeedを通じて世界に発信したりする。

「BuzzFeed Japan」トップページ
「BuzzFeed Japan」トップページ

 元朝日新聞記者でBuzzFeed Japan創刊編集長に就任した古田大輔氏は、「新聞社が嫌いだったわけではなく、BuzzFeedの在り方に共感して(BuzzFeed Japanに)移った」と断りを入れ、自身が感じたBuzzFeedの魅力を、同誌の人気記事のフォーマットを使った「BuzzFeed Japanを選んだ12の理由」という資料で紹介した(後述)。

 BuzzFeed Japanでは、「楽しい」「信頼」「シェア」をキーワードとしてコンテンツを制作していくという。古田氏は、成功の指標は「PV(ページ閲覧数)だけではない」と話し、「世の中にどれだけ影響を与えられるメディアになるかが重要。(事件など)なにかが起こったときには、すぐにBuzzFeed Japanを見てもらえるようにしたい」と意気込みを述べた。

古田大輔氏
古田大輔氏

 収益は広告で得るが、ウェブサイトにバナー広告枠は設置しない。BuzzFeed Japan代表取締役の高田徹氏は、開発中の広告を「『どこに掲載されるのか』という概念のない広告」と説明。これはいわゆるネイティブ広告のようなものになると見られる。古田氏は、編集と広告営業の切り分けは徹底すると強調する。「広告営業側が編集側に記事の内容について意見することは認めない。また、編集側が広告主に関わる記事を書く際に、広告営業側に記事の内容を相談することはない」と話した。

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