CES 2016

MS幹部、サムスン基調講演でIoTのデモを披露--両社の接近が意味すること

Mary Jo Foley (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2016年01月12日 11時44分

 先週のCES 2016で行われたサムスンのモノのインターネット(Internet of Things:IoT)を主題とする基調講演で、MicrosoftのWindows and Devices Groupを率いるTerry Myerson氏がゲストとして壇上に姿を見せたことから、両社の間で何らかの契約が締結されたのではないか、と考える人もいるかもしれない。しかし、仮にそのような契約が存在するとしても、Microsoftもサムスンもそれを発表しなかった。

 Myerson氏は「Windows」のデモを担当するBryan Roper氏とともに、いつの日かMicrosoftとサムスンの実際のIoTコラボレーションになるかもしれないアイデアの楽しい(または気味の悪い--どう感じるかは、子供の洗濯物の量を追跡することに価値があると考えるかどうかによる)デモを披露した。

 サムスンとの「新たなパートナーシップ」に関する、米国時間1月7日付けのMicrosoftのブログ投稿では、両社の関係の現状が暗示されている。サムスンは「Windows 10」を搭載する「Galaxy」ブランドの新タブレットを発表した。2015年に大規模な「Android」特許訴訟でMicrosoftと和解が成立して以来、サムスンが新しいWindows 10端末を発表するのは、これが初めてだ。

 しかし、サムスンとMicrosoftのIoT製品やサービスに関して、新しいニュースは何もなかった。Microsoftのブログ投稿によると、サムスンの基調講演中に披露されたMicrosoftのIoTデモは、「将来実現する可能性のあるオープン性とコラボレーションのシナリオ」だったという。「Windows 10」を搭載する洗濯機や冷蔵庫、「Azure」に接続するサムスンの電化製品を発表するプレスリリースは、Microsoftからもサムスンからも出されなかった。

 MicrosoftとサムスンのIoTへの取り組みについて何か新しい情報はないのかと筆者がMicrosoftに尋ねたところ、何もないという答えが返ってきた。Microsoftの広報担当者が出した正式な声明は、以下の通りだ。

 「われわれは、Windowsがサムスン製端末と通信することの威力を実証するため、サムスンのステージに登壇者として加わった。具体的には、家の中や電化製品のサムスン製センサから発せられるデータストリームを『Windows Universal App』プラットフォームと組み合わせることで何ができるのかを実証した。これらの潜在的なシナリオは、現存するテクノロジを使って実装できる可能性もあり、将来、さまざまなIoT端末で実現されるかもしれない」

 この声明から、「Cortana」を実行するWindows 10 PC以外に今回のデモでどのテクノロジが使われたのかを正確に知るのは不可能だ。洗濯物の量やほかの電化製品の使用状況に関する分析情報が表示されたので、筆者は「Cortana Analytics Suite」「Azure IoT Suite」の両方、またはそのいずれかがバックグラウンドで動いていたのではないかと考えている。ただし、関係者はいずれのサービスにも言及しなかった。

 Microsoftは今も組み込み向けのWindowsを開発しており、近ごろのものは「Windows 10 IoT」と呼ばれている。しかし、先週のCES 2016で自動車メーカーとの提携が多く発表されたことが示すように、同社の現在のIoT戦略は、あらゆるものにWindowsを組み込むことよりも、クラウド型サービスに関する提携を結んでいくことを重視しているようだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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