ブラジルの裁判所、「WhatsApp」に対する停止命令の撤回を命じる

Steven Musil (CNET News) 翻訳校正: 編集部2015年12月18日 11時39分

 ブラジルの裁判所がWhatsAppに停止命令を出したが、それからまもなくして、別の裁判所がその命令の撤回を命じた。

 Reutersなど報道各社によると、非常に高い人気を誇るメッセージング&音声アプリのWhatsAppに対して、ブラジル国内で現地時間12月17日午前0時から48時間にわたる停止命令が出されたという。ブラジルのサンパウロの裁判所がReutersに提供した声明によると、WhatsAppが刑事訴訟で裁定に従わなかったため、今回の停止命令が出されたという。

 17日、ブラジルの別の裁判所が停止命令の撤回を命じたとThe Wall Street Journal(WSJ)などが報じた。裁判官は、「膨大な数のユーザー」がWhatsAppを使えなくなるのは「合理的なこととは思えなかった」と述べたという。

 今回の停止命令は、ブラジルの電気通信事業者各社がFacebook傘下のWhatsAppの急激な成長を抑えようともくろむ中で出された。WhatsAppは世界中の人々に使われており、ユーザーは通信キャリアに料金を支払わずにテキストを送信することができる。Reutersの報道によると、WhatsAppが自社のサービスに負担をかけている、とそれらの事業者は主張しているという。

 WhatsAppはブラジルで最も人気の高いアプリで、ブラジルのテクノロジウェブサイト「TechTudo」が調査したユーザーの約93%が使用している。

 Reutersの報道によると、WhatsAppは2015年夏に発せられた2件の裁判所命令に従わなかったとサンベルナルドドカンポのサンパウロ州裁判所が判断したことを受けて、今回の閉鎖命令が出されたという。その案件の具体的内容と禁止命令を求めている原告の名前をすぐに確認することはできなかった。

 停止命令の撤回に先立ち、WhatsAppの最高経営責任者(CEO)を務めるJan Koum氏はFacebook投稿で、停止命令を出した裁判所の判断は間違っている、と評していた。

 「WhatsAppは、非常に多くのブラジル人が依存するようになった通信ツールだ。われわれは、そのツールへのアクセスを遮断するという近視眼的な決定に失望しており、ブラジルが世界のほかの国々から孤立することに悲しみを感じている」(Koum氏)

 その後、FacebookのCEOを務めるMark Zuckerberg氏も失望のメッセージを投稿して自身の考えを述べ、今回の件を「ブラジルにとって悲しい日」と評した。Zuckerberg氏はその投稿の中で、Facebookが望んでいるのは停止命令の早期撤回だと述べ、ブラジル人に代わりの通信手段を紹介した。「それまでは、『Facebook Messenger』が今も使用可能なので、WhatsAppの代わりにそれを使って通信してほしい」と呼びかけていた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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