パイオニア、上期は営業利益計画上回る--自動運転時代に向け唯一の存在へ

  • 2016年3月期第2四半期・上期連結業績概要

 パイオニアは11月10日、2016年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表した。事業譲渡などの影響を受け、売上高は前年同期比5.7%減の2226億円、営業利益は同38.3%減の21億円となった。経常損益は同14億円の赤字から14億円の黒字、当期純損益は同24億円から20億円へと赤字を縮小した。

 カーエレクトロニクスは、売上高が同3%増の884億円、営業利益は同36億円から19億円へと17億円悪化した。OEMカーオーディオ、市販、OEMカーナビはいずれも順調だったが、市販カーオーディオが落ち込んだ。現在のOEM比率は60%になる。


パイオニア代表取締役兼社長執行役員である小谷進氏

 その他部門では、FA機器が好調に推移したものの、前期にホームAV製品、DJ機器の事業譲渡の影響を受け、売上高が同31%減の252億円の減収となった。ただし販売費、一般管理費などの減少、原価率の良化により、営業利益は同7億円から9億円へと2億円増加した。

 パイオニア代表取締役兼社長執行役員である小谷進氏は「売上、営業利益ともに前年同期を下回ったが、営業利益は計画を上回り、上期は順調に推移したと考えている。今後は自動運転への取り組みと同時に利益目標を着実に達成することが最重要課題。予断を許さない状況だが、コスト管理を徹底していく」とコメントした。

  • 自動運転に向けた取り組みについて

 今後のトピックとして上げられた自動運転については「パイオニアは、自動運転車両に不可欠な3次元走行空間センサと自動運転用に信号や車線などの情報を含む高精度、高度化地図の両方を実現できる唯一の存在」と、パイオニアの強みを生かせる分野であることを強調した。

 9月には、高精度地図の開発などを手がける独HEREと協業に向け基本合意に達したことを発表。3次元走行空間センサである「3D-LiDAR(スリーディーライダー)」は、2018年の実用化を目指す。

 「2016年には3D-LiDARの試作品を完成させる予定。ポイントは小型化と低価格化。パイオニアは、自動運転の時代に『なくてはならない会社』を目指す」(小谷氏)と意欲を見せた。

 パイオニアでは、2016年3月期通期の連結業績予想を、為替や消費の動向を反映させ、売上高を前回発表の4870億円から4650億円へと減少を見込んだが、営業利益は80億円、経常利益は60億円、当期純利益は10億円の予想を据え置いている。

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