3大メガバンク系VC、資産管理アプリの「マネーツリー」に投資--「MT LINK」の拡大へ

 個人資産管理アプリ「Moneytree」を提供するマネーツリーは10月22日、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、セールスフォース・ドットコムより大型出資を受けたことを発表した。今回の出資のリードインベスターは、セールスフォース・ドットコムだという。金額は明らかにしていない。

 Moneytreeは、各金融機関が運営するインターネットサービス(明細照会など)にMoneytreeを経由してアクセスする「データアグリゲーションサービス」だ。同社のサービスのプラットフォームである金融インフラサービス「MT LINK」はその中核を担うもので、顧客のアカウント情報をクラウド上で管理し、利用明細を自動的に取得することで、最新の口座情報を提供する。現在は、MT LINKを経由し、1550の金融機関、銀行口座、クレジットカード、電子マネー、ポイントカードの取引明細情報に対応している。

 懸念されるセキュリティには、「見る機能」に特化すること、重要な情報をすべて暗号化して保存すること、プライバシー認証のTRUSTEの取得、専門家による定期的なシステムへの侵入テストなど、さまざまな方法で対応しているという。

「“香水からしょうゆ”に変えられないか」--企業のイメージ戦略

 マネーツリーは、日本で生まれたベンチャー企業で、現状では日本のみに特化したサービスを運営するが、ファウンダーで代表取締役のポール チャップマン氏を筆頭とした3名の外国人が立ち上げたことから、外資系のイメージが根強くある。

 「“香水からしょうゆ”に変えられるものはないか。日本企業に投資を受けたら変わるのではないか」──Moneytree マーケティング部長 ザック タウブ氏は今回のきっかけについて明かした。

 ここ数年、海外では金融とIT(情報技術)の融合で生まれた「FinTech(フィンテック)」分野に注目が集まっている。2015年は日本のフィンテック元年とも言われ、国内金融機関がFinTech分野への取り組みを開始している。

 一方のマネーツリーも、MT LINKを新しい分野にも開放することで、国内金融サービスの効率化・グローバル化に貢献したいと考えていたという。こうした中、各社それぞれの思いが一致し、出資が決定したとしている。

 今回の出資を受けて、MT LINKを金融機関、企業および個人をつなぐハブとなるプラットフォームとして整備・拡充し、より多くの人に活用してもらえるサービスを開発・提供するとしている。

「MT LINK」の役割
「MT LINK」の役割

 なお、マネーツリーは10月21日、新たな金融サービスを実現する「FinTech(フィンテック)」と、企業のハイブリッドクラウドを支えるAPI技術の活用推進に向け、日本IBMと協業することを発表している。

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