ソフトバンク、冬春商戦は4つの“生活”新サービスで勝負

 ソフトバンクとウィルコム沖縄は10月8日、2015年冬~2016年春モデルとなる新商品15機種を発表した。SoftBankから10機種、Y!mobileから5機種を順次発売する。同日の記者発表会では、ソフトバンク代表取締役社長の宮内謙氏が登壇し、冬春モデルのラインアップや“日常生活”に焦点をあてた新サービスを披露した。


2015年冬~2016年春モデル

 宮内氏は冒頭、9月25日に発売された「iPhone 6s/6s Plus」の初動について触れた。2013年にNTTドコモが取り扱いを開始したことで、主要3キャリアすべてがiPhoneを販売するようになったが、BCNの調査によると、9月25日~10月4日の家電量販店における新型iPhoneの販売シェアは、引き続きソフトバンクが42.4%で首位となり、それにau(36.1%)とNTTドコモ(21.5%)が続く形となった。

 「この好調を支えているのが、ここ数年にわたり心血を注いで構築した高速ネットワークだ」と宮内氏は話す。2015年9月時点で、同社のLTE人口カバー率は99%を超えている。また、2つのLTE網によるキャリアアグリゲーションや、基地局のネットワークチューニングなどによって、第三者機関の調査でもiPhone 6sの実効速度で、主要3キャリアにおいてナンバーワンを実現していると胸を張った。

  • BCNランキングでは、ソフトバンクのiPhone 6sがシェアナンバーワン

  • 通信ログを分析して、ネットワークを最適化

  • イードの調査では、JR東日本の30の駅でソフトバンクが最も高速だったという

「Nexus 6P」を独占販売

 冬春モデルは、「Xperia Z5」「AQUOS Xx2」などのスマートフォンや、「AQUOS ケータイ」を始めとするフィーチャーフォンが発表されたが、目玉となるのはGoogleのスマートフォン「Nexus 6P」と「Nexus 5X」の2機種だ。特にNexus 6Pは、SoftBank初となるNexusシリーズで、国内の携帯電話キャリアではソフトバンクが独占販売する。

 同日には、Android 責任者でGoogle エンジニアリング担当副社長のヒロシ ロックハイマー氏も登壇。ソフトバンクのすべてのAndroid端末ユーザーを対象に、音楽聴き放題サービス「Google Play Music」を90日間無料で提供することを発表するなど、これまで以上に両社の関係を強化していく姿勢を示した。


ソフトバンク代表取締役社長の宮内謙氏(左)とGoogle エンジニアリング担当副社長のヒロシ ロックハイマー氏(右)

 「量販店の数字(GfK Japan調べ)で見ると、Androidの新規のシェアはSoftBankとY!mobileを足すと5割を超え、時には6割を超えることもある。もともと、SoftBankはiPhoneというイメージがあり、Y!mobileはAndroidスマホという位置づけだったが、いまはソフトバンクでもGalaxyを扱うなど、Androidのラインアップが増えている」(宮内氏)。

4つの「生活支援」サービス

 同日の発表会で、新端末の発表以上に宮内氏が時間を割いたのが、“日常生活”にフォーカスした「買い物」「ポイント」「病院」「健康」という4つの新サービスだ。


日常生活に焦点をあてた4つの新サービス

 まず「買い物」では、SoftBankのスマートフォンからヤフーが運営する「Yahoo!ショッピング」などのサービスを、会員情報やIDなどの入力を省略して利用できる「スマートログイン」の提供を同日に開始。また、11月下旬にはシニアユーザーでも簡単に商品を注文できる「らくらく通販アプリ」を配信する。

 さらに、ヒト型ロボット「Pepper」に話しかけるだけで商品を注文できるサービスを、2016年3月に開始する予定だ。Pepperは商品のサイズを教えてくれたり、よく買う商品の新商品が発売された際にお勧めしたりしてくれるという。また、貯まったポイントでプレゼントをくれるといった仕掛けも用意したいとしている。

  • 10月8日から「スマートログイン」に対応

  • 簡単に商品を注文できる「らくらく通販アプリ」

  • 「Pepper」に話しかけるだけで商品を注文できるサービスも

 続いては「ポイント」。ソフトバンク利用者は月々の料金などで「Tポイント」を貯めて、スマートフォンで管理できるが、10月9日からファミリーマートやガスト、TSUTAYAで、「ソフトバンクカード」のおまかせチャージで支払った場合に、通常の10倍のTポイントを付与することを発表した。

 「病院」では、病院会計を待たずに、後日病院の診察料や調剤薬局の薬代を携帯電話料金とまとめて支払えるサービス「スマート病院会計」を12月に開始する。ユーザーは事前にMy SoftBankから利用登録し、病院の受付で申し出れば、会計をせずにそのまま帰宅できる。本人の家族などが登録して利用することも可能だという。当初は、全国で約130の医療機関で利用可能になる予定。

  • 「ソフトバンクカード」のおまかせチャージで支払った場合に、通常の10倍のTポイントを付与

  • 「スマート病院会計」を12月に開始

  • 2016年末には1000以上の医療機関に拡大

 最後が「健康」。ソフトバンクはFiNCとともに、ヘルスケアサービス「パーソナルカラダサポート」を共同開発し、2016年3月以降に提供する。IBMの質疑応答システム「IBM Watson」を活用しており、生活習慣や体重・歩数データなどをもとに、1人1人専用の生活習慣改善メニューをスマートフォン向けアプリに表示するという。また、利用者間のSNS機能も用意し、オプションで管理栄養士による指導やオーダーメイドサプリなども提供する予定だという。

 同日の発表会では、FiNC代表取締役社長CEOの溝口勇児氏が登壇。ソフトバンクと連携してパーソナルカラダサポートを提供することで、ユーザーの健康管理を日常的に支援し、「治療から予防へ」という概念を浸透させたいと話す。また多くの企業は、従業員の高齢化にともなう医療費の高騰や、うつ病などで休職する社員の増加に頭を悩ませていることから、新サービスによってこうした課題も解決していきたいとした。

  • FiNCとともにヘルスケアサービス「パーソナルカラダサポート」を共同開発

  • 生活習慣改善メニューをスマートフォン向けアプリに表示

  • FiNC代表取締役社長CEOの溝口勇児氏

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