グリー、103億円の最終赤字に--国内は明るい兆候も海外不振で売上反転できず

 グリーは8月5日、2015年6月期(2014年7月~2015年6月)の連結決算を発表した。売上高は924億5600万円(前年同期比で26.4%減)、営業利益は202億3300万円(同42.2%減)、経常利益は250億900万円(同30.6%減)、純損益は103億2200万円の赤字(前年同期173億4700万円の黒字)と、大幅な減収減益かつ最終赤字となった。

  • グリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏

 四半期ベースで見ると第4四半期は売上高が209億2000万円(第3四半期10億7000万円減)、営業利益は42億1000万円(同7億円減)、経常利益は50億1000万円(同8000万円増)、純損益は78億1000万円の赤字(同94億8000万円減)。米国子会社のFunzioの不振からのれん等の減損として142億2800万円を計上、これを含めた特別損失として160億6800万円を計上したことが純損益として大きく響いた形だ。

  • ネイティブゲームにおけるコイン消費の状況

 主力のゲーム事業におけるコイン消費は依然として減少傾向が続き、第3四半期に比べて約11%減の279億コイン。ことネイティブゲームのコイン消費について、第3四半期に比べて約6%減の90億コインとなったものの、国内市場においては3億コイン増の47億コインとなった。「消滅都市」が継続して売り上げを拡大しているほか、新作の「LINE タワーライジング」が好調だったことが要因としている。

 グリーは2015年6月期に大規模なネイティブシフトを掲げ、事業構造の転換を図った。開発体制は整い、消滅都市のように大きく成長するタイトルはあったものの、売り上げの反転や大ヒットの創出といったあたりは実現できなかったと、グリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏は振り返った。この先について、中長期的にもネイティブゲーム事業、ウェブゲーム事業、新領域事業の3本柱で成長を考えているとしている。こと、2016年6月期の事業方針としては、ネイティブゲームのヒット創出による売り上げ反転の実現を掲げた。

  • ネイティブゲームのパイプライン

 ネイティブゲーム事業では内製と協業タイトルを含め国内向けには10本、海外には5本のタイトルを通期でリリースする計画。国内では消滅都市で生かせた運営力やLINE タワーライジングの開発ノウハウを生かしさらなるヒット作創出を狙う。一方課題となっている海外事業については北米拠点の再構築を掲げ、組織効率化や日本の運営ノウハウを生かせる体制にするという。またオーストラリアに拠点を持つ開発会社のTwiitchの株式を取得し開発力を強化。北米収益を支える「War of Nations」の次世代版を年内にリリース予定として、早期の収支回復と再成長を狙うとしている。

  • ゲーム以外の新領域についても成果が出ているものもあり、今後も展開を図るとしている

 なお2016年6月期の業績予想について通期は開示しなかった。上半期については売上高は365億円、営業利益60億円、経常利益60億円、純利益は35億円を見込むとしている。田中氏はこの数字についてかなり保守的なものであると前置きしつつ、国内市場に関しては第3四半期と第4四半期でほぼ変わらない売り上げだったことやネイティブゲームについてはすでに反転基調にあるとし、特に北米のネイティブゲームの立て直しを通じて、売り上げ全体の反転に導く考えを示した。

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