月面探査競う「Google Lunar XPRIZE」、期限を1年延長--2016年末に

Tim Stevens (CNET News) 翻訳校正: 緒方亮 長谷睦 (ガリレオ)2014年12月25日 12時29分

 米CNETがTeam Astroboticを訪ねてからしばらくたった。2014年に入り、われわれはモハーベ空港兼宇宙港を訪れ、砂漠の中で1週間の大半を過ごした。Astroboticは賞金総額3000万ドルの「Google Lunar XPRIZE」獲得を目指して、着陸船を月面に静かに下ろそうとしており、取材陣はこのシステムの試験の模様を見学した。

 Google Lunar XPRIZEでは、探査機を月に着陸させ、月面を500m以上移動し、その間、高解像度動画を地球に送信するという課題を最初にクリアしたチームに、大賞として賞金2000万ドルが贈られる。参加チームはこれらの要件を達成するためにさまざまなアプローチを取っている。Astroboticの場合は、4輪のローバーを月面に静かに降ろす戦術を採用している。

 ローバーの試作品が(ブリキ製の車輪を装着して)実際に動いている様子を見るため、われわれは今回、砂漠ではなく採石場に向かった。こちらはピッツバーグにあるAstroboticの本拠からもほど近い場所にある。ここでチームは難しい地形の走破に加えて、重要な高解像度動画の同時送信のデモを行った。

 この試験は、Google Lunar XPRIZEの「Milestone Prize」(中間賞)の一環だった。Milestone Prizeは、大賞を獲得する能力を最も的確に示すことができたチームに与えられる、一連の中間賞だ。今回、走行と動画送信のテストは成功と判断された。Astroboticは走破で50万ドル、動画送信で25万ドル、合計75万ドルを獲得した。

 次の目標はもちろん月面だが、そこにたどり着くまでには多くのテストが必要で、時間もかかる。X Prize Foundationは最終期限の延期を発表した。当初は2015年末が期限だったが、実際の月飛行は2016年末までに行えばよいことになった。ただし、2015年末までに1チーム以上が打ち上げの予定を立てていることが、Google Lunar XPRIZEの継続条件とされた。

 Google Lunar X Prizeに現在も参加している世界各国のチームのうちどれか1つが、期日までに打ち上げの予定を立て、月旅行の可能性と賞金総額3000万ドルを失わないよう祈りたいものだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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