「iPhone 6」サプライヤーの労働環境実態が明らかに?--BBC潜入取材

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2014年12月19日 13時14分

 BBCの時事問題番組「Panorama」がこのほど、「iPhone 6」の生産ラインに対する潜入取材を敢行し、労働者を保護するというAppleの約束は日常的に破られていると伝えた。具体的には、Pegatronの工場では労働者の勤務時間、IDカード、寮、作業の打ち合わせ、児童労働者に関する基準に違反していることが、覆面記者の取材で明らかになったとしている。

 Pegatronは、Appleをはじめとする多数の消費者向け電子機器企業に供給している大手部品メーカーだ。

 この番組では、上海郊外にあるPegatronの工場で、疲れ切った労働者らが12時間の勤務中に居眠りをしている姿が映し出されており、Appleのコンピュータ部品を製造する工場で作業したある覆面記者は、再三にわたって休暇を申し出たにも関わらず、18日間連続で勤務しなければならなかった。最も長いシフトが16時間だった別の記者は、「寮に戻るたびに、動きたくなくなった」と話した。

 Appleは同番組の取材を断ったが、番組の出した結論には強く異議を唱えると述べた。

 Appleは声明で、「われわれは、Appleほど公正で安全な労働条件を確保している企業はほかにないと考えている」と述べた。

 「われわれは、サプライヤーと協力して欠陥に対処しており、継続的で大きな改善が見られる。だが一方で、われわれの取り組みに終わりはないことも承知している」(Appleの声明)

 Appleはまた、労働者が休憩時間に仮眠を取ることは普通のことであるとはいえ、勤務中に居眠りをしている証拠があれば調査するとも述べた。

 このBBCの報道によると、ほかにも、インドネシアで違法な採掘によるスズがAppleのサプライチェーンに流入している可能性を示す証拠が見つかったという。

 Apple側は、状況は複雑だと主張している。

 「最も簡単な方策は、Appleがインドネシアで採掘された一切のスズの受け入れを一方的に拒否することだ。われわれがそうすることは簡単であろうし、批判を免れることになるだろう。しかし同時に、それは事態の改善に向けてまったく手を打たないことでもあり、怠惰でずるいやり方だ。われわれは、この問題に関与し続けるとともに、現場で変化を促そうと努めることにした」(Appleの声明)

 Appleは、サプライヤーの責務に関する情報を公開しており、従業員のエンパワーメント労働者の権利と人権健康と安全環境説明責任といったテーマが取り上げられている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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