パイオニア、営業損益大きく改善--リソースはカーエレに集中

 パイオニアは8月5日、2015年3月期第1四半期(4~6月)の連結業績決算を発表した。原価率の改善により営業損益が大きく改善し、計画通りの営業利益を達成したという。

  • 2015年3月期第1四半期業績概要

 売上高は前年同期比3.7%増の1133億円、営業利益は前年のマイナス76億円から3億円の黒字、経常損失はマイナス92億円からマイナス3億円、当期純損失はマイナス101億円からマイナス21億円へと赤字を縮小した。

 主力事業であるカーエレクトロニクスは、売上高が前年同期比の4%増となる824億円、営業利益が前年のマイナス31億円から20億円の黒字転換となった。市販カーナビゲーションが国内外ともに増収増益となったほか、海外で増収となったOEMカーナビ事業、東南アジアや中国で増収となったOEMカーオーディオ事業などにより、売上を拡大した。

 一方、オンキヨーとの事業統合を発表したホームAVを含むホームエレクトロニクスは、売上高が同1%増の213億円、営業損失はマイナス35億円からマイナス14億円へと改善した。ホームAV機器の売上は減少したものの、光ディスクドライブ、DJ機器、CATV関連機器が増加し、増収に結びついたという。

  • パイオニアの代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏

 パイオニアの代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏はホームAV事業について「8月末の最終合意締結に向けて、協議を進めている最中」として詳細については明らかにしなかった。しかし「パイオニアにとってホームAVは重要な事業。カーエレクトロニクスやDJ機器とも密接に結びついている。しかし今後の存続や成長を考えると、今回切り出して、オーディオ専業メーカーであるオンキヨーと組んでやっていくのが最善の策だろう」とコメントした。

 また、「主力のカーエレクトロニクス事業は、事業環境の大きな変化に直面している。今後の大きな変化と市場競争、競合他社を考えた時、パイオニアの持っているリソースをカーエレクトロニクスに集中にすることが重要と判断した」とし、カーエレクトロニクスを主軸に据える方針を明らかにした。

  • 2015年3月期中間期・通期の連結業績予想

 パイオニアでは、2015年3月期通期の連結業績予想を5月に発表した、売上高5150億円、営業利益125億円、純利益20億円をそのまま据え置いている。

 成長の鈍化がささやかれる新興国についても「第1四半期の実績は順調に伸びている。ブラジル、インド、中国の3つの地域を中心に二桁以上の伸びを記録した。今後のリスク要因としては、強いてあげるならばロシアの売上が落ち込んでいること。また為替は現在比較的に安定して推移しているが、ドル高円高が懸念される」(小谷氏)と今後について話した。

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