DeNA、3Q決算も減収減益--年度内60タイトル計画に遅延や中止も

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は2月5日、2014年3月期第3四半期の決算を発表した。売上収益が417億円(前年同期比20%減)、営業利益は114億円(同42%減)、四半期利益は77億円(同35%減)となった。第3四半期はプロ野球がオフシーズンになることや国内Mobage事業の減少傾向が続いたことから、減収減益となった。

 国内においてはMobageのコイン消費額の減少傾向が続き、第1四半期が548億円、第2四半期が504億円となり、今回の第3四半期では461億円と約40億円程度の減少が続いている。前四半期で見ると内製や協業タイトルとサードパーティタイトルのコイン消費額は同程度減少しているという。

  • 国内Mobageにおけるコイン消費の状況

 海外事業においても、コイン消費額は約6000万ドルで前四半期比で減少。第4四半期は新規タイトルによりコイン消費の再拡大を目指すとしている。

 EC事業は前年同期比で8%増加。年末商戦により前四半期比で増収となった。ショッピングモール事業では、カテゴリ特化型のECに注力。食品や日用品分野での西友との取り組みに続き、医薬品や化粧品の分野でサンドラックと共同で「サンドラック.com」を1月より開始している。

年度内60タイトルリリースの戦略で見えた成果と課題

  • DeNA代表取締役社兼CEOの守安功氏

 DeNA代表取締役社兼CEOの守安功氏は同日開催された決算説明会で、Mobageのコイン消費額の減少トレンドは続く見方を示すものの、第4四半期は新規タイトルの投入によりコイン消費額の減少幅が、従来の約40億円から約20億円まで縮まると予測。翌第1四半期からは上昇トレンドに戻したい意向を示した。

 第1四半期の決算説明会で、年度内に内製および協業で60タイトルのゲームをリリースすると発表していた。現在までに21タイトルがリリースされているが、2013年度内にはこれらも含めた累計35タイトルをリリースする予定。残り25タイトルの内15タイトルが2014年度以降にずれ込む見込みで、10タイトル程度はヒットの 見込みが薄いとして開発を止めたことを明らかにした。なお延期や中止にかかるコストについては、コストコントロールにより当初予定していた計画の範囲内に収まるものと説明している。

  • アプリ市場における戦略と手応え

    クレジット

 60タイトルをリリースする試みはほぼゼロベースから行われたもので、この戦略を実践したことにより、前向きな成果と課題の両面が見えてきたと守安氏は説明。アプリに関しては「三国志ロワイヤル」や「パズ億」などの有望タイトルの創出により、アプリ市場における足がかりがつかめている状態であるとしている。さらに提供するゲームジャンルの幅を広げたことによるユーザーの裾野の拡大や、核となるタイトルが、従来の開発手法ではなく新たな取り組みのなかから生まれてきたことを前向きな成果として挙げた。一方で、プロトタイプの仕込み数からリリースに至るまでの歩留まりの想定や、開発初期段階や開発終盤のブラッシュアップに要する期間の見積もり、またタイトルの絞り込みの見極めタイミングに課題を残したとしている。

 これらの経験やデータを通じて、開発初期段階の合理的な見極め手法も見えてきたとし、今後は開発段階からの多数の絞り込みを行い、クオリティの高いゲームを一定数リリースできる体制を確立すること、そして成功事例の横展開と、新たなゲームジャンルの開発をバランス良く行うことで、ヒットの確度を上げていくとしている。

 中長期的には、仮想ライブ空間「Showroom」や電子マンガ雑誌「マンガボックス」の事例に代表されるような新規サービスの立ち上げや、それに向けた投資なども継続的に行っていくとしている。もっとも、短期的にはMobageの立て直しが最重要課題と明言。開発初期段階の絞り込みによるとしながらも、今後は四半期ベースで5本から10本のタイトルをリリースしていく意向で、「第4四半期を底として来季から成果を出していく」(守安氏)としている。

 なお同社は2014年3月期の業績予想も公開。売上収益が1826億円(前年同期比9.8%減)、営業利益は530億円(同31%減)、当期利益は315億円(同30.9%減)としている。

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