日本企業よ、世界を目指せ--グローバリゼーションの3つの利点

 サンブリッジグローバルベンチャーズは12月11日、Innovation Weekend Grand Finale 2013を開催した。

 Innovation Weekend Grand Final 2013は、起業間もないスタートアップと投資家を中心とした支援者を結びつけるプラットフォームである「Innovation Weekend」の1年間の集大成となるイベント。国内外から招集したゲストスピーカーによるセッションや、スタートアップによるプレゼンコンテストがなされた。

 キーノートセッションでは、シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタル(VC)であるFenox Venture Capitalのアニス・ウッザマン氏が、グローバリゼーションの重要性について語った。

グローバリゼーションの3つの利点

 ウッザマン氏は、国別のGDP成長率と2020年の人材採用機会予想の提示。2020年には教育水準の向上によって高等教育を受けた若者の国別人口比率は中国で28%、インドで11%、米国で11%、日本は4%となると予想されている。人口増加とGDP成長の相関関係を示した上で、これからは市場と人材採用の多くが日本国外に広がっていくと語る。「世界で活躍する企業へと成長するためには、グローバルの視点を持った上で行動することが必要不可欠だ」(ウッザマン氏)


Fenox Venture Capitalのアニス・ウッザマン氏

 次に、グローバリゼーションの利点について、3つの利点があるウッザマン氏は語る。1つ目は、市場の拡大としての財務上の利点、2つ目は、競合がいない地域に他よりも先んじて進出することによる、先行者利益などの競争上の利点、3つ目は人材の多様性や市場のリスク分散、潜在的な投資家への接触率やイノベーション機会の増加といった企業内の利点だという。

 では、グローバル展開に成功している企業はどのような状況なのか。ウッザマン氏は、いくつかの企業を例に挙げる。たとえば、AppleやMicrosoftは、米国外による売上をこの数年間で急成長させているという。2012年にはAppleのアジア市場の売上は340億ドルで売上比率で22%、Microsoftの米国外における売上比率は92.8%になっていると語る。

 中国企業も、すでにグローバル化で急成長を遂げているとウッザマン氏は語る。中国最大の検索エンジンを手掛けるBaiduは、2004年に米国のVCから1億ドルを調達。2007年には中国企業で始めてNASDAQ-100 Indexに組み込まれた。現在では、Baiduは中国以外にもシリコンバレーや東南アジア、エジプト、ブラジルなどにサービスを展開し、設立当初からグローバルを意識したことで大きく成長しているという。

 グローバル展開によって急成長している国の1つとして、イスラエルのスタートアップがいるとウッザマン氏は語る。カーナビのスマートフォンアプリWazeは、設立当初からシリコンバレーに拠点を移した。Wazeは米国のVCとパートナーシップを組んで事業を展開し、2013年にはGoogleに13億ドルで買収されたという。毎年秋に米国で開催されるITイベント「TechCrunch Disrupt SF」において、スタートアップのプレゼンコンテストで2010年から2013年の3年間でイスラエルのスタートアップがノミネートするなど、イスラエル企業の勢いはこの数年で伸びていると語る。

 「世界中のスタートアップがシリコンバレーに集まり、グローバルのネットワークを通じて成長し、バイアウトやIPOを果たすなど、急成長を遂げている現実がまさに今起きている」(ウッザマン氏)

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