UI改善プラットフォーム開発のKAIZEN、グリーなどVC3社から80万ドル調達

岩本有平 (編集部)2013年08月20日 09時30分

 KAIZEN platformは8月20日、グリーベンチャーズ、GMOベンチャーパートナーズ、サイバーエージェント・ベンチャーズから合計80万ドルを調達したことを明らかにした。

 KAIZEN platformは、サンフランシスコに本社を置く2013年4月設立のスタートアップ。メンバーは全員日本人で、CEOの須藤憲司氏は、元リクルートマーケティングパートナーズ執行役員を務めた人物だ。

 同社が提供するのは、ユーザーインターフェース(UI)の継続的な改善のためのプラットフォーム「planBCD」だ。

  • 「planBCD」のサービスイメージ

 ユーザーは、planBCD上でUIを改善したいウェブサイトのURLや、商品購入ページや会員登録ページといったコンバージョン先のURLを入力。さらに「ボタンのデザインを変えたい」「文言を変更したい」といった具体的な改善内容を説明した「Offer(オファー)」を作成する。オファーを作成すると、専用のJavaScriptコードが発行されるため、ユーザーはそれをウェブサイト上の各ページに貼り付ければ利用の準備は完了だ。

 作成されたオファーに対して、KAIZEN platformがネットワーク化する200人のUIデザイナーが改善案を作成して投稿していく。ユーザーは、デザイナーから集まった改善案から好みのものを選択すれば、あとは自動で改善案を使ったA/Bテストを実施できる。万が一エラーを検出した場合は、JavaScriptを無効化して元サイトを表示する。A/Bテストの結果は自動で集計されており、コンバージョン率の高い改善案の表出率を上げていくという。

 リクルート時代に業務として広告効果の最大化などに取り組んでいた須藤氏。自身の経験や関係各社へのヒアリングから、継続的なA/Bテストの実施には、金額も労力もコストが非常にかかるという認識があったのだという。「(A/Bテストツールの)Optimizelyなどもユーザーとして使っていたが、オペレーションにもコストがかかる。60社ほどにヒアリングしたが、平均(月間で)100万円くらいかかっているということだった。また、グロースハックはコストだけでなく精神的にも疲弊する業務。テストをどうやってスマートかつオートマチックにできるのか。また、どうやって『改善』のダイナミズムを大きくするかを考えた」(須藤氏)

  • 「relux」におけるコンバージョンの推移

 すでに一部サービスでテスト運用を開始しているとのこと。Loco Partnersの手がける高級旅館専門の宿泊予約サイト「relux」などは、平均1.5倍、直近では1.7倍以上のサインアップページへの誘導を実現したのだという。当面は社数を限定してサービスを提供していく。

 コンバージョンが向上した月のみ課金するという成果報酬型でサービスを展開。料金は月額10万円の「スタンダード」、20万円の「プロフェッショナル」、50万円の「マエストロ」の3パターンを用意する。planBCDではデザイナーのコンバージョン向上への貢献実績も計測しており、上位の料金体系になるほど、実績のあるデザイナーにセグメントしたオファーができるという。そのほか、複数のデザイナーを抱える企業などに対して、月額50万円程度でシステム自体をOEM提供していく予定。

 同社は3年で導入企業4500社、年間売上100〜450億円を目指す。

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