The Wall Street Journal(WSJ)によると、米連邦航空局(FAA)は、低い高度にある航空機内で特定の機器にかけている使用制限を緩和する予定だという。
WSJは米国時間6月21日、「業界関係者の話、およびFAAの高級諮問協議会がまとめた勧告草案」を引用して、乗客がすべての電子機器の電源を切る必要はなくなるだろうと報じた。ただし、携帯電話が禁止リストに残るかどうかは不明だ。
FAAの現行ガイドラインでは、航空機が1万フィート(約3000メートル)の高度に達するまで携帯電話などの機器を使用することを禁じている。この禁止の根拠になっているのは、特定の機器が地上の無線通信網と干渉し、低い高度を飛行する航空機にトラブルを引き起こすかもしれないという懸念だ。
だが、航空機は今やいかなる干渉の可能性に対しても耐性が大幅に強化されており、一方で今では携帯電話自体も以前より消費電力が少なく、発する信号も弱くなっていると諮問協議会は指摘した。また、FAAは過去において、どの機器を対象リストに含めるかの決定権を個々の航空会社に委ねていたことがあり、真の標準の欠如につながっていた。
WSJによると、諮問協議会は自らの見解として、個人用電子機器の使用基準を一本化する「FAAおよび(業界の)能力への信頼」は損なわれることになり、各航空会社が採用するつぎはぎだらけの規則からなる「標準を欠いた規制制度」は「市民をさらに混乱させる可能性がある」と考えているという。
諮問協議会が準備中の勧告では携帯電話の話題を取り上げておらず、その取り扱いについては宙に浮いたままとなっている。だが、諮問協議会のメンバーは携帯電話の使用を議題に上げるべきだと感じており、FAAが「対応するかどうか未定」の「追加規定を別途提示する」計画だと、WSJは付け加えた。
太平洋時間午前7時59分更新:Reutersによると、FAAは21日、諮問協議会が勧告を9月末まで2カ月延期したと述べたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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