ソフトバンクとSprint、安全保障対策で米政府と合意か

Steven Musil (CNET News) 翻訳校正: 編集部2013年05月29日 12時50分

 ソフトバンクとSprint Nextelは、200億ドル規模の合併に関する国家安全保障上の懸念を緩和するため、米政府に拒否権やその他の監督権限を付与することで合意したと報じられている。

 この件に詳しい情報筋がThe Wall Street Journal(WSJ)に語ったところによると、今回の合意は向こう数日中に締結されるとみられ、その一環として、両社の合併後は4人で構成される国家安全保障委員会を設置し、取締役会にセキュリティ担当官を置くという。米政府はSprintによるあらゆる機器の購入に対して拒否権を持つことになる。また、Sprintは、2016年までに自社ネットワークから中国製機器を除外することに合意した。

 米CNETはSprintとソフトバンクにコメントを求めているが、本稿執筆時点で回答は得られていない。

 今回の合意は、米国のインフラの一部に中国のサプライヤーであるHuawei Technologies(ファーウェイ)とZTEの機器が組み込まれることに対する米政府の懸念を緩和することを目的としており、合併に対する米政府の承認を得る上で最後のハードルとみられている。ファーウェイとZTEの2社は、米下院諜報委員会から批判を受けている。同委員会は2012年10月、中国の複数の電気通信機器メーカーが米国の安全保障に脅威となっているとし、米国企業に対して中国製機器の購入を控えるよう勧告する報告書を発表している。

 国家安全保障上の懸念については、4月にSprintに対する255億ドルでの敵対的買収に名乗りを上げたDISHからも提起された。DISHは同じく4月、米連邦通信委員会(FCC)に対し、「DISHによる合併提案は、米国の消費者、Sprintの株主、そして国家安全保障の面においてソフトバンクの提案よりも優れている」と述べている。

 下院諜報委員会の委員長を務めるMike Rogers議員(共和党、ミシガン州選出)は3月、Sprint、ソフトバンク両社の関係者と会合し、米国の移動体通信インフラに中国の電気通信機器メーカーの機器を使用しないことを確認したと述べている。

 2012年10月に発表されたソフトバンクの買収提案では、ワイヤレス業界における大手企業らとの競争に向けてSprintの経営体制の強化が期待されている。両通信事業者の経営統合によって実現される企業規模の拡大は、携帯電話の選択肢の充実、より優位な価格プランの提供、さらに究極的にはサービスの向上につながる可能性がある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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