お弁当の総合モール運営するスターフェスティバル、グロービスなどから2.5億円を調達

岩本有平 (編集部)2012年08月23日 12時10分

 スターフェスティバルは8月23日、グロービス・キャピタル・パートナーズおよびグリーベンチャーズを引受先とする総額2億5000万円の第三者割当増資を実施したことを発表した。評価額や2社の出資比率は非公開。

 スターフェスティバルは2009年7月の設立。代表取締役の岸田祐介氏は、楽天にて「楽天デリバリー」や、プロ野球球団の楽天野球団の立ち上げを行ってきた人物だ。

 同社が手がけるのは、お弁当やケータリングの検索サイト「ごちクル」だ。創業当時から個別に展開してきたお弁当、ケータリングサービスのウェブサイトをモール化。2012年7月に正式オープンさせた。岸田氏自身が立ち上げた楽天デリバリーや、夢の街創造委員会の「出前館」など、端から見れば競合となるようなサービスは多い中、業績を伸ばしている。2012年7月の取扱高は前年同月比で2.63倍、モールの店舗数は約120店舗、累計ユーザー数は約150万食、月間ユーザー数は約10万食(7月時点)となっている。

 急成長するスターフェスティバルだが、ユニクロ、ZOZOTOWN、そして米Zapposを例にその強みを説明する。まず、ごちクルの出展店舗に対して、ブランディングや店舗名、ロゴからメニューまで、共同開発するケースが多いため、オリジナル商品の開発力があるのだという(ユニクロ的なオリジナル商品開発力)。さらに、焼き肉で有名な叙々苑をはじめとして、普段はデリバリーに対応していない有名飲食店も出店している(ZOZOTOWN的な独自の商品ラインアップ)。また、現状6〜7割が電話注文、3割はインターネット注文、1割がFAXとのことだが、ネットやFAXでの注文に対してもオペレーターが折り返し電話をし、ユーザーの細かな要望を聞くのだという(Zappos的な顧客志向のオペレーター体制)。


スターフェスティバル マネジャーの濱野亜紀氏

 「商品開発から関わっているので、例えば店舗によってはユーザーの要望に合わせておかずの変更に対応するといったことができる。あえて手間がかかることをやっているからこそ価値が生まれる」(スターフェスティバル マネジャーの濱野亜紀氏)。このため、同社は社員全員にオペレーション研修を課しており、エンジニアでも営業でも、すべての社員がユーザー対応できる体制をとっているという。

 また、配送までを提携の運送業者が行うため、店舗は弁当を作ることだけに集中できる体制を取っている。このため、弁当を製造している工場などが参画するだけでなく、これまで配送などの問題でデリバリーに参入できなかった飲食店などが隙間時間で弁当を作るということもできるという。弁当は基本事前予約が必要で、前日および当日のキャンセルに関してはユーザーからキャンセル料を取るため、小さな店舗でも在庫ロスがすくなく、弁当作りに向けた人的リソースの配分もしやすいという。

 現在のリピート率は、会社単位で3割ほど。客単価のボリュームゾーンは1回のオーダーあたり2万円後半から3万円。季節要因も大きく、春は研修、夏は野外イベント、冬は企業の納会などでの利用シーンが多いという。

 同社では今回の増資を背景に、人材やサービスの開発強化を進める。配送エリアの拡充に加えて、お届け時間の拡大、注文締切の短縮など、ニーズに細かく対応できる店舗を増やしていきたい。またポイントや決済手段の拡充なども検討する」(濱野氏)

 さらに同社は、これまでデリバリーに参入できなかった飲食店の参入を促していく。「既存の中食産業のみならず外食産業に変革を起こし、飲食デリバリーの新しい形を築きたい」(濱野氏)

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