アップルとグーグル、特許訴訟棄却の裁定を不服として上訴

Edward Moyer (CNET News) 翻訳校正: 編集部2012年07月23日 11時14分

 AppleとGoogleは、両社間の「iOS」および「Android」関連特許訴訟をきっぱりと棄却した米連邦巡回裁判所のRichard Posner判事の裁定を不服として上訴した。

 Bloombergによると、両社は米国時間7月20日、6月22日の裁定に関して上訴通知書を提出したという。Posner判事は、いずれの企業も損害を証明できておらず、シカゴにあるイリノイ州北部地区連邦地方裁判所で焦点が定まらずに続いてきたこの訴訟で請求を再度申し立てることは認められないと述べ、同特許侵害訴訟の陪審裁判を中止していた。

 両社はかなり前から、それぞれのモバイルOSに関して激しい戦いを展開している。AppleはAndroidと同OSを利用する端末メーカーに対して、Steve Jobs氏の言うところの「熱核戦争」を仕掛けている。この闘争は、世界中のさまざまな国と法廷で繰り広げられている。

 Posner判事は特許制度に対して特に批判的で、The Atlanticに先頃寄稿した論文の中で、「特許取得のコストと、競合する企業がいずれも特許を保有している場合に発生するかもしれない論争を解決するコストは、社会的な浪費だ」と述べている。

 Posner判事は高い名声を得ているので、本件における同判事の裁定を、何らかの特許制度見直しにつながる可能性がある転換点と見る者もいる。

 これと関連するニュースで、Googleの弁護団は、消費者の間で人気を得たテクノロジは事実上の標準と見なされるべきで、いわゆるFRAND特許のように扱われるべきである、と主張している。この主張は、All Things DのJohn Paczkowski氏が執筆した記事の中で紹介されている。

 FRAND特許は、業界が標準として受け入れることに合意したテクノロジを、特許保有者がそのライセンスを妥当な価格で提供するという条件で保護する特許だ。Posner判事は、そうした特許に基づいて差し止め命令による救済を求めたGoogleの弁護団を非難した。事実上の標準となったテクノロジのライセンス提供に合意した企業が、その後、ライセンス料を支払う用意のある企業がそのテクノロジを利用するとなったときに、どうしてそれを妨害するのか、とPosner判事は不思議がった。

 Paczkowski氏は、Googleが先頃提示したそうした主張に対するAppleの返答を次のように要約している。

 標準化されたテクノロジは、本質的に異なるデバイスに同じ中核的機能を与えることによって、そうしたデバイス間の相互運用性を促進する。それは、競争の舞台を作り出す。標準化されていないテクノロジは、デバイス間の差別化につながり、競争を生んでマーケットプレイスでのイノベーションを促進する。標準にとって必須でない特許に、標準必須特許と同じルールを適用すれば、イノベーションが阻まれ、消費者に害が及ぶ。

 これに対してGoogleは、マルチタッチやスライドロックのように、現在はスマート端末の基礎的な機能と思われるものでも、FRAND特許と同様に簡単に侵害され、真の競争が抑制される可能性があると主張している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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