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アナログ放送跡地めぐる次世代マルチメディア放送--公開の場でドコモとKDDIが「激闘」
アナログテレビ放送終了後の空いた周波数を手にするのはどちらか――総務省は7月27日、第2回「携帯端末向けマルチメディア放送の実現のための開設計画に関する公開説明会」を開催。マルチメディア放送の受託放送事業者として名乗りを上げているマルチメディア放送(mmbi:NTTドコモが筆頭株主。ソフトバンクモバイルも実質支持)とメディアフロージャパン企画(メディアフロー:KDDI、クアルコムが中心)両者の代表者たちが公開の場で丁々発止のやりとりを繰り広げた。
マルチメディア放送とは、現在地上波アナログテレビ放送で使用しているVHF帯ハイバンドの一部で提供する予定の放送サービス。総務省が利用申請できる帯域幅を1事業者分の14.5MHzとしたことで、ISDB-Tmm方式を推すmmbiとMediaFLO方式を推すメディアフローのせめぎあいが活発になっている。
説明会は「両者のプレゼンテーション」「相互に質問・意見交換」の2部構成で行われたが、前段のプレゼンテーションから互いをけん制。メディアフロージャパン企画が「ワンセグは都市圏の屋内受信に難点があり、従来の設計思想では課題を解消できない」とISDB-Tmm方式の課題をあげれば、対するmmbi側は「(MediaFLOの)ビジネスモデルを疑問視しているため、(仮にメディアフローが事業者として認可された場合)NTTドコモは端末を供給しない」と宣言、後半戦に向けて対決色を強めた。
その後半、交互に15分ずつ質問と回答を繰り返す時間に入ると、ますます両者の“突っ込みあい”が激化。mmbiが米国で本稼働するMediaFLO方式のサービスについて「我々の調査ではいぜんとして30万契約で、成功しているとは言い難い。その数値も公表せず、また実態調査や分析もしていないというのは無責任では」と切り出すと、メディアフロー代表取締役社長の増田和彦氏は「同様の技術を用いるというだけで、ビジネスモデルが違う。また米国と日本では、携帯電話向け放送に対する認識も異なるので参考にはならない」と返した。
メディアフローが徹底的に突いたのは、mmbi側の「エリアカバー」に対する認識。両者の設備投資費用は倍以上の開き(メディアフローは961億円、mmbiは438億円)があり、その点を含めて「視聴者の安定受信に対する意識の低さ」があると見たものだ。事前資料としてmmbiが示したエリアカバー図が、メディアフローのそれと比べて明らかにアバウトなものだったことも拍車をかけた。
こうした質問に対し、mmbi側は「(設備投資費は)サービス料金と設備投資を追求した結果として算出したもの。そちらと主旨は同じだが、結果が違うと理解している」と回答。また事前に示した関東のエリアカバー図について「(ビル陰などの影響も含め)示したエリア内であればほぼ漏れなく安定した受信が可能」と、本サービス開始前としては異例といえるほどの自信を示した。
逆に、mmbiはメディアフロー側が計画している961億円の設備投資費、あるいは1MHzあたり5年契約で年間29億円、10年で同21億円とする委託放送事業者向けの利用料金設定(mmbiは年間約10億円)について「高すぎる」と指摘。事業性を疑うとの考えから、NTTドコモ、あるいはソフトバンクモバイルについても「端末提供を行わない方針」であると改めて主張。次世代マルチメディア放送はKDDI単独のサービスとなる可能性すら浮上した。
全体を通して、mmbiは「事業性の認識」を、メディアフローは「エリアカバーに関する技術的な説明」を、それぞれ相手方に求めた構図。加えて、mmbiはMediaFLOサービスの開発社であるクアルコムに対して、CDMAに関する公取委の排除措置命令や米本社が運営するMedia FLOサービス「FLO TV」を売却する方針との報道、チップ開発におけるライセンス方針といった質問をするシーンも目立った。
当初予定では6月末にも決定する予定だったマルチメディア放送の受託放送事業者。一部業界関係者からは8月上旬にも結論が出るという声も上がっているが、今後どちらに認可が下りるのかなどはまだ未定となっている。
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