IPv4の未割り当てアドレス数が10%未満に

文:David Meyer(ZDNet.co.uk) 翻訳校正:編集部2010年01月19日 12時40分

 インターネット番号資源を世界中に割り当てるレジストリによると、IPv4のアドレス不足が深刻な状況に達しているという。

 レジストリを代表するNumber Resource Organization(NRO)は米国時間1月19日、IPv4の未割り当てアドレスの割合が10%未満となり、ISPや企業によるIPv6への移行が進まなければ、すべての企業や組織の今後のネットワーク活動に影響が生じる恐れがあると述べた。

 NRO会長のAxel Pawlik氏は19日の声明で、「IPv4はアドレス数に限界があり、グローバルインターネットアクセスという世界中の人々が抱く野望を実現するための十分なリソースを提供することができない」と述べた。「IPv6の導入が、今後莫大な数の人々および機器を接続するネットワークの実現に向けた主要なインフラとなる」(Pawlik氏)

 しかしPawlik氏はZDNet UKに対し、かつては2011年にIPv4アドレスが枯渇すると予測されていたが、現在の状況からは2012年になる可能性が高そうだと述べた。「それは、現在の増加率に基づく予測だが、今後、膨大な割り当て要求が生じる可能性もあるため、実際のところはわからない」と同氏は述べた。

 ネットワークを介して機器が互いに通信するためのインターネットプロトコル(IP)には、2種類存在する。ほとんどのアドレスがIPv4のものだが、2008年初頭に導入されたIPv6の方が格段にアドレス数が多く、ウェブユーザーや接続機器の数の増加に伴い、その膨大なアドレス数が必要になると思われる。

 IPv4とIPv6のアドレスの間には互換性はない。Pawlik氏は、両方のIPアドレス間で互いに通信することは技術的に可能だが、ネットワークの安定性を維持し、IPv4アドレスが枯渇した場合の複雑な問題を回避するために、企業やISPが可能な限り早くIPv6に移行することが最適であると述べた。

 Pawlik氏は、IPv6への移行に伴う作業時間やコストに見合う「現実的で説得力のあるビジネス上の利点」がないために、ISPや企業はIPv6への移行を先送りにしてきたと述べた。

 「(数字以外にも)特殊な文字が使用され、また、IPv6アドレスの方が長いが、エンジニアはいつかそれに取り組まなければならない」とPawlik氏は述べた。「それは、将来を保証するために必要な作業だ」(Pawlik氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]