世界の健康問題を改善するアイデアに助成金--ゲイツ財団

文:Charles Cooper(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年10月23日 18時02分

 Bill & Melinda Gates Foundationには、世界の健康問題を改善するアイデアがある人に対し資金を提供し、その実現までを支援する用意がある。

 Bill & Melinda Gates Foundationは米国時間10月22日、全世界22カ国から104人の科学者を選出し、それぞれに10万ドルの資金を提供すると発表した。これは今後同財団が定期的に行う取り組みの第1回目である。同財団がトランスフォーメーショナルアイデアと呼ぶ、医療に革新をもたらすアイデアを発展させる手助けを、同財団は追求している。

 Bill & Melinda Gates FoundationのプログラムオフィサーのAndrew Serazin氏は「われわれは社会通念を覆すようなアイデアをいくつか持っている。また長い間解決できない問題に対して今までとは違うアプローチを求めている」と述べる。続けて「アイデアにおけるトランスフォーメーショナル(変容を起こす)な部分というのは、長期的な視点で世界の健康問題に影響を与える、一味違った自由なアプローチを意味する」と言う。

 提出されたアイデアの長所を検討し、今回の審査で、予定したよりも約2倍の人々に助成金を提供したと同氏は述べた。

 「それぞれの回によるので、助成金提供の認定数が今後どうなるかはわからない」と同氏は述べる。それは提出されたアイデアの質が左右するという。今回は4000件以上のアイデアが提出された。

 「このプログラムの素晴らしい点の1つは、アイデアがある人なら本当に誰でも応募する機会があることである」とSerazin氏は述べる。続けて「われわれは可能な限りいろいろなアイデアに対してオープンな態度をとっている。(中略)ノーベル賞受賞者から大学院生まで、応募を心待ちにしている」と言う。

 助成金を獲得した人々の中で、筆者が気になった人物は日本の自治医科大学の松岡裕之教授。松岡教授は、一般的に病原体を媒介する昆虫である蚊の遺伝子を改変して蚊を「空を飛ぶ注射器」に変えられる可能性を信じて研究している。それは蚊が人間を刺したときに、病原体の代わりにワクチンを注入できるようにするというものである。

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この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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