FujiSankei Business i.
2008/07/23 11:20
■単純ミス見逃し…上場計画にも影響
東京証券取引所は22日、システム障害でデリバティブ(金融派生商品)などの取引を一時停止したことを受け、システム責任者の鈴木義伯常務が記者会見し「市場に大変な迷惑をかけ反省している」と陳謝した。東証では2005年以降、システム障害が相次いでいる。株式上場と次世代売買システムへの全面移行を来年度に控え、信頼性に大きな疑問符が付いた。
システム障害について記者会見する東京証券取引所の鈴木義伯常務取締役(右)=22日、東京・日本橋兜町の東京証券取引所
東証は19日からの3連休中にデリバティブのシステム処理速度向上のため、一部ソフトの更新を実施。障害はこれに伴い発生した。更新した注文情報配信処理ソフトで本来、2万8000銘柄まで対応するはずの情報記憶容量がプログラムミスで88銘柄分しか確保されていなかった。設定以上の注文情報を受けた22日の取引ではソフトが正常に動かず、一部の証券会社が取引端末画面で注文状況を確認できない事態となった。
東証は更新したソフトの動作テストも行ったが、銘柄数の上限に対応した試験項目がなかったため、不具合を見つけられなかったという。ソフトを開発した富士通の人為的ミスとみられ、鈴木常務は「思い違いとしか思えない」と不快感を表明。「実損が発生すれば損害賠償を求める契約になっている」と説明した。
ただ、システムの信頼性確保の最終責任は東証にある。2月と3月にも一部売買を停止する障害を起こしながら、今回、事前の動作検証で単純な不具合を見逃したことは、来年度の次世代システム移行に向けて、東証のシステム運用管理の甘さを露呈したかたちだ。
鈴木常務は今回の障害を踏まえ「東証はこれまで不具合の原因をすべて取り除いてから売買を再開する考え方だったが、今後は迅速な取引復旧を優先させる仕組みに変える必要がある」と指摘。危機管理の面で課題があることを認めた。
一方、東証は、株式上場に向けた今年度からの3カ年計画で、派生商品取引の大幅拡充を経営目標に掲げている。今回の障害は信頼性に加え、経営目標達成の面からも、上場計画に少なからぬ影響を与えそうだ。

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