最終更新時刻:2009年7月10日(金) 10時48分

6月株主総会 今年の傾向は? ファンド逆風で株主提案半減

FujiSankei Business i.

2008/05/27 11:09  

 ■防衛策撤廃7社、特別決議は3割超

 6月下旬に開かれる3月期決算企業の株主総会で、株主自らが議案を提出する「株主提案」が過去最高だった昨年から半減する見通しだ。昨年は投資ファンドの台頭により、株主の採決で雌雄を決する“劇場型対決総会”が急増したが、「ファンド=悪玉論」や米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題の逆風で、提案を見送るファンドが増えた。一方、会社側が買収防衛策を廃止したり、導入のハードルを高くする企業も増えており、株主重視の経営が広がっている。

 大和総研の調べによると、株主提案の通知を受けた企業は「昨年の25社から10社強とほぼ半減する見通し」(制度調査部)だ。

 昨年、江崎グリコやハウス食品などの投資先に軒並み増配を提案した米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンの提出が確認されていないほか、米ブランデス・インベストメント・パートナーズも小野薬品工業への増配提案を取り下げたもよう。今年は、英ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)によるJパワーへの増配提案などにとどまっている。

 昨年のファンドによる提案は“全敗”を喫しており、逆風が強まるなか、他の株主に賛同を求める委任状争奪戦などにかかる費用や手間を考えれば、「割に合わない」との判断が働いたようだ。

 一方、昨年の総会で投資ファンドが導入反対を主張した買収防衛策については、会社側が継続議案を見送り、廃止するケースが増加している。M&A(合併・買収)調査会社のレコフデータによると、廃止決定は今年に入り、資生堂やイー・アクセスなど7社に達している。

 米カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)など世界的な機関投資家が日本企業に対して事前警告型の防衛策の廃止を求めるなど、「過度な防衛策は企業価値向上の妨げになる」との批判が高まっており、こうした声に配慮した。

 また、野村証券金融経済研究所によると、買収防衛策の新規導入や継続を諮る企業201社(23日時点)のうち、総会で3分の2以上の賛成が必要な「特別決議」での可決とする企業が約33%の67社を占め、昨年の約20%を大きく上回っている。

 過半数で可決する普通決議よりもハードルの高い特別決議は、より多くの株主の賛同を得ることで防衛策の正当性を確保できるメリットがある。

 このほか、昨年の総会でドトールコーヒーと日本レストランシステムの統合に米投資ファンドが反対し委任状争奪戦を展開したようなM&Aをめぐる攻防も、今年はほとんどみられない。逆に賃貸住宅建設・運営の大東建託では、サブプライムショックのあおりで買収交渉が難航する事態となっている。

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