FujiSankei Business i.
2008/05/16 10:50
電機大手10社の2008年3月期連結決算が15日まとまり、海外販売の好調などで6社が増収となった。懸案の赤字事業を好転させるなど収益力強化の効果も表れてきた。最終利益で最高益更新が相次いだ一方、事業撤退や縮小費用が響いて最終減益となる企業もあり、明暗が分かれた。薄型テレビは松下電器産業とシャープが利益を確保したが、成長市場を見据えた激しい競争が続きそうだ。
北京五輪の需要をひかえ、「成長が約束された市場」(メーカー)だった薄型テレビだが、価格下落が止まらず、製造原価をどこまで低減できるかが収益確保のカギとなった。自社で中核部品のパネルを製造する松下やシャープは、目標出荷台数に届かなかったが、営業段階での利益は確保。09年3月期の出荷目標は、松下が1100万台(実績750万台)、シャープが1000万台(同825万台)を掲げ、ソニーの1700万台(同1060万台)が突出する。国内最大の台数を出荷しながらも採算面で苦しんだソニーなどは、販売増とコスト削減を進めて「利益なき繁忙」からの脱却を図る。
一方、懸案の事業を好転させた企業も多い。日立製作所がハードディスク駆動装置を、NECが半導体や携帯電話を黒字転換。ソニーも家庭用ゲーム機「PS3」が底を打ち、ゲーム部門で09年3月期に黒字化させる構えだ。
また、得意分野に経営資源を振り向ける「選択と集中」が進めた結果、事業の撤退や大幅縮小にともなって計上した構造改革費用が、足を引っ張るケースも相次いだ。
売上高が過去最高だった東芝は、新世代DVDの撤退費用がかさんだ。日立やパイオニアなども薄型テレビで多額を計上。三菱電機は、営業、最終の各損益ベースで最高益を更新したが、携帯電話の撤退費用に約200億円を充てた。
米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題などのあおりで、08年3月期は終盤に失速し、昨年末段階の業績見通しを下回った企業が少なくない。
09年3月期も「(米国景気の減速などが)心理面だけでなく実体経済にも影響が出ており楽観できない」(東芝の村岡富美雄専務)との指摘や、「材料高により営業損益で400億円ぐらい影響が出る」(日立の中村豊明専務)との声も聞かれ、逆風が予想される。そのため09年3月期の業績予想では、目標を前期の微増に据えた企業も目立った。
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