グーグルとFacebook、SNSのデータ共有化を目指すDataPortabilityに参加

文:David Meyer、Caroline McCarthy(ZDNet.co.uk)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年01月10日 12時06分

 GoogleとFacebookは、各種のソーシャルネットワーキングプラットフォームを横断してユーザーのIDやデータ管理を統合することを目指す団体DataPortabilityに参加することを表明した。

 DataPortabilityのウェブサイトによると、同団体の目的は「あらゆる既存の技術とイニシアチブを統合してエンドツーエンドのデータポータビリティを実現するリファレンスデザインを生み出し、このデザインをデベロッパー、ベンダー、エンドユーザーのコミュニティーに普及させること」である。DataPortabilityに参加を表明しているその他の企業には、ソーシャルネットワーキングサイトのLinkedInやPlaxoがある。

 DataPortabilityウェブサイトの設立趣旨には、「ユーザーのID、写真、ビデオやその他の個人データはユーザーが選んだツールまたはベンダーによってディスカバリ可能な状態に置かれ、共有できるようにするべきである。ID認証にはDHCP(IPネットワーキングに使用されるプロトコル)が必要であり、データには分散ファイルシステムが必要である。技術はすでに存在するのだから、必要なのはそれらのパーツを統合する完全なリファレンスデザインだけである」と記されている。

 DataPortabilityの登場によって、ブロガーのコミュニティーに活気が生まれている。ReadWriteWebのMarshall Kirkpatrick氏は「これらの業界の巨人たちがライバル意識を抑えて協力できればすばらしいことが起こる可能性がある」と述べる。またTechCrunchのDuncan Riley氏は「この日は長らく人々に記憶されるだろう」と述べ、「DataPortabilityに加入することによって(中略)Facebookはオープンスタンダードとオープンアクセスを受け入れつつあり、これはクローズドスタンダードに固執していた以前の立場から考えると根本的な大変革である」と記している。

 新興企業のFaraday MediaのChris Saad氏が率いるDataPortabilityは、OpenIDやRSSといった既存の技術を使用してソーシャルメディアサイト同士を橋渡ししたいと考えている。しかし、すでにグループ内の一部のメンバー、特にFacebookとPlaxoの間でデータポータビリティの問題をめぐって対立が生まれている。

 先週、著名なブロガーであるRobert Scoble氏(自身もDataPortabilityのメンバー)がFacebookのライバルサイトであるPlaxoから自動化スクリプトを使用して連絡先情報を掲載した電子メールやその他の個人データをFacebookからPlaxoにエクスポートしようとしてFacebookから追放された。Scoble氏のアカウントは、同氏がスクリプトを使用しないことに同意してからようやく回復された。

 「DataPortabilityの目的は、言ってみればScoble氏の一件を(中略)『炭坑のカナリア』の警告としてとらえることなのだ」とSaad氏はZDNet.co.ukの姉妹サイトであるCNET News.comとのインタビューで語っている。「ユーザーは今後ますますこのようなデータの移動を実行したいと思うようになるだろう」(Saad氏)

 一方、Googleには参加しているソーシャルネットワーク間でアプリケーションやウィジェットの互換性を実現するOpenSocialと呼ばれる独自の構想があるが、このプログラムには異なるサービス間でデータを共有する計画はまだない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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