最終更新時刻:2009年7月10日(金) 16時48分

台湾社がソニー提訴へ 「USBメモリー技術を盗用」

FujiSankei Business i.

2007/11/27 08:01  

 パソコンの外付け記録媒体のひとつであるUSBフラッシュメモリーに関する技術を盗用し、模倣製品を無断で生産、販売したとして台湾のメモリーカード企業、パワーデジタルカード社(PDC社、台北市、陳源建社長)が29日、ソニーに対し、不正競争防止、著作権侵害で製品の差し止めなどを求める訴訟を東京地裁に起こすことが、26日わかった。

 日本企業に対し、韓国勢が知財訴訟を起こす例はあるが、台湾勢は珍しい。日本企業はアジア企業の権利侵害対策に追われてきたが、今後はアジア企業に対し、十分な訴訟対応が必要な時代を迎えつつあるようだ。

 ≪一方的に連絡絶つ≫

 PDC社が問題にしているのは、ソニーが昨年5月に発売した超薄型・小型USBメモリー「ポケットビットミニ」シリーズの5商品。サイズが幅14・5ミリ、奥行き32・0ミリ、高さ2・7ミリと非常に小さいのが特徴。意匠性にも優れ、経済産業省主催の2006年度グッドデザイン賞を受賞した。

 PDC社によると、同社はすでにほぼ同サイズのUSBメモリーの技術を独自に確立しており、04年4月までに製品の設計・デザインを終え、設計図面の著作権を取得した。この裏付けとして台湾の中国知恵財産権協進会に図面を美術著作として同年8月に登録を完了したという。

 訴訟に踏み切るのは、ソニーが該当製品を発売する前に、PDC社がソニーに対し、超薄型・小型USBメモリーの技術提供を行ってきたため。PDC社によると、05年3月にソニー担当者がOEM(相手先ブランドによる生産)供給の契約交渉のためPDC社を訪れた。その後、ソニーの要請で契約を前提にサンプルを提供したほか、メールなどで図面を含めて情報を提供してきたという。

 その際、ソニーの意向で秘密保持契約を結ばなかった。同年7月にソニー側は一方的に連絡を絶ち、担当部署を解散し、担当者も異動させたとしている。

 ≪逸失利益180億円≫

 PDC社は、不正競争行為および著作権侵害などとして当該商品の生産、販売の差し止めや、賠償金1億1000万円を求める。このうち、賠償金は部分請求で、新製品を投入できなかったことなどによる逸失利益分が約180億円に上るという。仮に全額が認められれば、国内の知財訴訟でベスト3に入る高額賠償額になる。

 PDC社はすでに6月下旬にソニー台湾、ソニー本社を刑事告訴しており、早ければ年内にも判決が出る予定。10月からは、独自開発した超薄型・小型USBメモリー「Q BOX」のOEM供給を米国で始めている。

 小型メモリーカードはカメラや携帯電話などに使われ、市場を伸ばしているSDカードタイプが主流だが、今後は転送速度に秀でるUSB端子によるデータ転送型の躍進が期待されている。

 ソニー広報センターの話「訴状を受け取っていないので、コメントは差し控えさせていただきたい」

【会社概要】PDC社

 1998年の設立で、資本金9億4000万台湾元(約35億円)、従業員220人。台湾、中国に工場を持つ。小型メモリーカードの関連特許を各国に多数出願。携帯メモリー出荷額で2005年に世界16位、フラッシュカード出荷額では世界6位。欧米企業だけでなく多くの日本企業にメモリー製品などをOEM供給しており、今年9月に日本法人PDCジャパンを設立した。

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。