FujiSankei Business i.
2007/10/12 08:25
ソニーフィナンシャルホールディングス(ソニーFHD)の株式上場で、ソニーは約3000億円に上る資金を株式市場から調達する。世界的な競争にさらされる薄型テレビなどのデジタル家電は、戦略的な集中投資が不可欠になっている。ソニーは調達した資金を中核のエレクトロニクス分野に振り向けて「選択と集中」を加速し、グローバル競争に勝ち抜く姿勢を鮮明にする。
ソニーは調達資金を、世界で初めて商品化する有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビや、デジタルカメラの眼となる半導体センサー「CMOS」、家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」を軸に投資する方針だ。
エレクトロニクス事業の業績は、製品により好不調があるものの、2008年3月期は大幅増益を見込む。ソニーは「復調」から「成長」の段階へと移行するため、膨大な投資が必要な先端半導体の設備は東芝と売却交渉入りする一方で、成長性の高いCMOSは生産態勢の増強を決めるなど、投資にメリハリをつけ始めている。
電機業界では、成長分野への集中投資で他社を圧倒する競争力確保が生き残りのカギだ。東芝は半導体に3年間で1兆円を投入。シャープも約3800億円を投じる液晶の新工場建設を決めた。
ソニーFHDの上場で手元資金を得たことで、ソニーは「電機回帰」のアクセルをさらに踏み込む。今後は中鉢良治社長が「反転攻勢の旗印」と掲げた有機ELの大画面化や、生産規模の拡大に向けた投資判断に注目が集まりそうだ。
ただソニー本体はソニーFHDの約60%の株式を保有し続け、引き続き連結対象に置く。ソニーFHDの独立性を容認しつつも、同社の安定した収益を手放したくないからだ。株式市場の一部からは支配力を持ちながら子会社を上場させる「親子上場」にシビアな視線が向けられており、将来見直しを余儀なくされる可能性も否定できない。
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