ある英国国会議員が、英国政府のIT戦略に関して、Microsoftに多大の権限を委ねすぎていると厳しく批判した。
サウスポート選出下院議員で、歳出調査委員会の一員であるJohn Pugh氏は、自ら召集を呼びかけた現地時間10月9日の延会討論にて演説した。Pugh氏は、今回の討論で、Microsoftのソフトウェアに代わる、オープンソースなどの製品の有用性を検討することが目指されていると語った。
Pugh氏は、現在の英国政府のIT戦略が、あまりにもMicrosoftに頼りすぎたものになっていると非難した。Microsoftは「暴利をむさぼる製品価格を設定し、著しく市場競争を阻んでいる」と、Pugh氏は批判している。
また、Pugh氏は、英国政府のIT戦略について、市場競争に関する「欧州連合の規定に一部で違反している」と述べた。
特に政府のIT戦略が、最も貧しい人々の層に最大の打撃を与えている点を、Pugh氏は懸念する。「なぜ生活保護を受けている人々が、もっと安いオープンソースのソリューションがあるにもかかわらず、高額なVistaを使わねばならないのか?あるいは、AppleのOSではなく、Vistaを使うことが求められるのはなぜなのか?」と、Pugh氏は問いかけた。
さらにPugh氏は、英国政府が、Microsoftに権力を委譲していると非難し、政府の福祉プログラム「Connecting for Health」を、その一例に挙げた。Pugh氏は「Connecting for Healthが、Microsoftのような一企業に運用を任されるのはよしとしよう。だが、その詳細が秘密保持契約のベールに包まれるのは、決して気持ちのよいものではない」と語った。
英国政府を弁護する形で、ウォラシー選出下院議員のAngela Eagle氏が演説し、政府のIT戦略は特定のベンダーを選出することを望んで立案されたものではなく、「最大限の価値を引き出せる選択をする必要性」に基づいて定まったものであると主張した。
Eagle氏は、オープンソースソフトウェアに多くの利点があることを認めつつも、結局のところ大切になる論点は、納税者の負担額であると指摘する。「オープンソースプラットフォームは、オープンな市場競争を促進し、自由な市場が求められている点には同意する。英国政府も、多くの分野でオープンソースを活用しており、その価値を十分に認識している」と、Eagle氏は述べた。
しかしながら、オープンソースは安く思えるかもしれないが、トレーニングやサポートに余分のコストがかかり、常に最も安いソリューションであるわけではないかもしれないとも、Eagle氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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