野村総研、2011年までの国内IT主要市場の規模とトレンドを展望

 野村総合研究所(NRI、藤沼彰久社長)は、2011年までの国内IT主要5市場の分析と規模予測を発表した。ハード市場、放送市場に続く第二弾として、今回は、ネットビジネス市場8分野、携帯電話市場4分野、ブロードバンド市場6分野の市場規模予測を発表している。

 インターネットを活用したさまざまなビジネスが生活の中に着実に浸透してきていることを背景に、ネットビジネス市場は成長が見込まれている。成長の主軸は、PCから携帯電話に移ってきており、なかでも消費者向けインターネット通販(BtoC EC)、音楽配信、インターネット広告などは、携帯電話向けサービスの成長が著しいとみている。

 インターネット広告の市場規模は、成長スピードはやや鈍化するものの、携帯端末向けインターネット広告が伸びてきたことに後押しされ、2011年には7417億円と、広告費全体の10%超まで拡大すると予想。

 ブログ・SNS市場は、2011年度末にブログサイト数1813万サイト、SNS登録者数5110万登録となり、金額ベースの市場規模は合計で1706 億円に達する見込みとみる。これにともない、ブログ・SNSからECサイトへの誘導が促進され、BtoC ECの市場規模が2011年時点で6兆円を超えると予測している。

 2006年の携帯電話市場は、(1)移動体向け端末放送(ワンセグ)の開始、(2)ソフトバンクによるボーダフォン買収、(3)ナンバーポータビリティの導入――など大きな動きがあった。これらの変化を受け、2011年に向けて、今後ますます市場の競争環境は激化していく。

 携帯電話の契約回線数は微増傾向で、2008年の初めには1億回線を超え、2011年度末には1億826万回線まで増加する見込み。しかし、市場規模はモバイルキャリア各社のARPU(1契約当たり平均利用料)の下落を年率2%とする楽観的な予測においても、2009年度の7兆2624億円を境に減少していくものと推計している。

 ブロードバンド市場は成熟期を迎えるものの、光ファイバー化が緩やかに進み、2011年度末には加入世帯数は1790万世帯、市場規模は7806億円に達する。これら光ファイバーにケーブルテレビインターネット、ADSLを加えた家庭向けブロードバンドは、2011年度末で3089万世帯に普及し、世帯普及率は約60%に達すると見ている。また、IP電話は、一般消費者向けサービス加入者数が2005年度末の940万回線から、2011年度末には 1808万回線に増えると予測している。

野村総合研究所=http://www.nri.co.jp/
「詳細」=http://www.nri.co.jp/news/2006/061221.html

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