FujiSankei Business i.
2006/09/21 10:19
家庭用ゲーム機“冬の陣”の火ぶたが間もなく切って落とされる。内外のゲーム関連会社が最新のソフトや機器を披露する「東京ゲームショウ2006」が22日、千葉・幕張メッセで開幕する。注目は、ソニー・コンピューターエンタテインメント(SCEI)と任天堂が年末商戦に向けて送り出す次世代家庭用ゲーム機だ。
ハイビジョンの美麗さとスパコン並みの処理能力で、まったく新しい映像世界を見せようとするSCEIの「プレイステーション(PS)3」。コントローラーを振った動きが画面に伝わる新しい操作方法を取り入れた任天堂の「Wii(ウィー)」。タイプの異なる2つのゲーム機が、どのようなユーザー層に、どれだけの支持を集めるかで、エンターテインメント業界が向かう方向が左右されそうだ。
≪スパコン並み能力≫
「ファミコン」で家庭用ゲーム機の盟主だった任天堂の座を、1994年発売のPSで奪ってから約10年。世界で1億台を売ったPS2に続き、SCEIが11月11日に日本で、同17日に米国で送り出す次世代ゲーム機がPS3だ。
特徴はスーパーコンピューター並みといわれる処理性能。映像も高画質のハイビジョンが再生可能で、業務用ゲーム機すら上回る高精細な映像のゲームを楽しめる。
次世代DVD「ブルーレイ・ディスク(BD)」の映像ソフトも再生可能。DVDに代わる映像メディアとして、BDの普及に取り組むソニーにとっても、戦略的な役割を持つ。
ただ、価格はかなり高くなった。ハイビジョンをフルスペックで楽しめる「HDMI」端子が搭載された上級バージョンで7万円台。PS2の投入時の価格3万9800円、任天堂のWiiの2万5000円と比べて割高だ。
ただ、「『Wii』とはまったく違う性質の商品」と、「ファミ通」を刊行するエンターブレインの浜村弘一社長は話す。PS3の購入層は、売れ行き好調な大画面の薄型テレビを手に入れ、高品質の映像世界を楽しむような人たち。SCEIの久多良木健社長も「量販店で薄型テレビを買えば、その時に付くポイントで『PS3』を買える」ともくろむ。
青紫色レーザーの半導体部品量産化が遅れ、欧州については来年3月に発売が延期されたが、日米で年内に200万台強を投入して需要は満たす。来年3月末までに600万台を予定していた出荷見通しも変更せず、垂直的な立ち上げがによって業界首位の座を堅持する。
≪「振る」新操作方法≫
04年末に発売された携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」が、史上最速で累計1000万台の出荷を果たし、関連ソフトもミリオン続出と絶好調の任天堂。家庭用ゲーム機の世界でも盟主奪還を目指すべく、12月2日に家庭用ゲーム機「Wii」を発売する。
「東京ゲームショウ」には出展しない任天堂は14日、幕張メッセで大々的なお披露目会を開催。岩田聡社長は「家庭にあるゲーム機を、家族全員が触れるようにする」ことで普及台数を増やすと強調した。
05年12月に一足早く次世代ゲーム機「Xbox360」を発売したマイクロソフトも、PS3のSCEIも狙うのは高品質の映像を楽しみたいユーザー層。対して任天堂では、ゲーム機能をメーンに据え、手元で振ると動きがゲーム機に伝わるコントローラーを採用して、ボタン操作に慣れない人でも手軽にゲームを楽しめるようにした。
「ニンテンドーDS」との連携も可能。DSでは脳を鍛えるゲームや、料理のレシピを閲覧できる内容が大人にヒットしたが、Wiiでも従来にないタイプのゲームを投入して、従来のゲームファン以外にも楽しんでもらう。
ゲーム機やゲームに興味を持たない人が増えたことが、家庭用ゲーム機やソフト市場の停滞につながっているというのが任天堂の考えだ。Wiiでは、インターネットに接続できる機能を持っており、ゲームのダウンロード購入だけでなく、最新の天気情報やニュースを取り入れたり、一般のホームページをテレビ画面で閲覧するなどゲーム以外の楽しみ方を増やした。
価格も次世代機では最も安い2万5000円。「ライバルとなるのは同じ任天堂の『DS lite』では」(浜村氏)と、市場の広がり具合に興味を示す。
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