「パートナーは技術力よりも、業界知識と社風で選べ」--アウトソーシング関連調査

Ed Frauenheim(CNET News.com)2004年01月16日 22時32分

 新たに発表された調査によれば、アウトソーシングパートナーを探す企業は、候補企業選定の際、相手の技術力だけでなく、ビジネス知識も考慮すべきだという。

 調査会社Meta Groupは、アウトソーシングサービスを提供する北米15社の企業を対象にこの調査を行った。これらの企業では、ヘルプデスクのオペレーションやソフトウェア保守のようなIT業務を引き受けたり、人事関連などの業務処理サービスを提供している。

 調査対象となったのは、IBM、Accenture、Electronic Data Systems(EDS)やHewlett-Packard(HP)などだが、各社とも技術力では遜色がないと、MetaアナリストのDean Davisonは述べている。また、選定にあたっては、該当する業界固有の知識を候補業者が備えているかどうか、また業者の社風が自社に合っているかどうかなどを考慮する必要があると同氏は示唆している。

 「アウトソーシング分野では、業者を評価する際の基準が、単に技術力があるかどうかではなく、いかに優れたビジネスソリューションを提供できるかに変化してきている」と、Davisonは述べた。なお、Meta Groupはこの調査結果を米国時間14日に発表した。

 Metaの調査で「リーダー企業」とされたのは、IBM、EDS、Computer Sciences、Accenture、Science Applications International Corp.だ。Unisys、Perot Systems、HPやインドに本社を置くInfosys Technologiesなどは、「チャレンジャー企業」として分類された企業の仲間入りをした。

 アウトソーシングの人気が高まった背景には、企業が進める経費削減がある。Davisonは、世界的なITアウトソーシング市場の規模が昨年1800億ドルに達し、今年はさらに10%から12%伸びると予想している。インドやフィリピンなどの労働者の人件費が安いことが、外注化の傾向に拍車をかけているが、これは米国内の技術労働者の保護を唱えている人々から怒りを買っている。

 先ごろ、市場調査会社のIDCは、2007年までにITサービス職全体の23%が海外で行われるようになるとの予想を発表した。2003年に比べて5%増となるこの数字は、米国企業向けに行われるIT業務に関するものだ。

 IBMとEDSを含む米国企業は、海外でオペレーションを行っており、バミューダに本社を置くAccentureも同様だ。

 IBM Business Consulting Servicesで電子業界担当グループを率いるGeorge Baileyは、アウトソーシング業者が業界固有の知識を持つことが、クライアントの事業を絶えず改善していくことにつながると述べた。また充分な業界知識があれば、クライアントの事業に痛手を負わせるような経費削減策をとらずに済むという。「クライアントが望むのは業績の改善だ。これには業界に関する深い洞察力が必要だ」(Bailey)

 MetaのDavisonは、自社の社風とアウトソーシング業者の社風がよく合っていることも重要だと述べている。企業のなかには、フォーマルな仕事の進め方をする「スーツ系」のところもあれば、もっと格式張らないやり方をする「ポニーテール系」の雰囲気をもつところもある。「相手の会社と自社との相性はどうか?お互いにどれだけ相手のことを好きになれそうか?」を考える必要があるとDavisonは語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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