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ワーキングチーム設置で日本版フェアユースの集中審議へ--法制問題小委
文化庁の著作権分科会の法制問題小委員会の2009年度第6回目の会合が9月18日、開催された。
2009年4月に今年度の小委員会が発足して以来、今回で6回目を数えた本会合。7月以降は3回にわたって利害関係者によるヒアリングが続けられてきた。今回の会合では、ヒアリング関係団体として招かれた、日本新聞協会の新聞著作権小委員会委員長の山浦延夫氏と同副院長の村岡繁氏が参加した。
いわゆる“日本版フェアユース”と称される、著作権の権利制限の一般規定をめぐり、同協会側は「論点があまりに多岐にわたり、文化審議会法制問題小委員会内の会議においてもはっきりした方向性が見えていない段階では協会として導入の是非や見解を述べることは困難」と説明。そのうえで、同協会の新聞著作権小委員会で各社から出された意見を取りまとめたとして、「一般規定があるから『記事利用は自由』と短絡的に誤解する人が増え、権利侵害が増えるおそれがある。それにともなう訴訟負担が予想される」「米国におけるGoogleブックのような問題が国内においてもGoogleに限らず行われる可能性がある」「判例の積み重ねによって法理の全体像が形成される英米法系の米国のフェアユース規定は、制定法に重きを置く日本の法体系にはなじみにくい」などといった問題点を挙げた。
さらに、同協会関係者からの意見として「すでに、“権利制限の一般規定”を示す表現として“フェアユース”という言葉がひとり歩きし始めているが、なにをもって“フェア”とするのか、もっと明確で具体的な基準を示してほしい。そうでなければそもそも議論のしようがない」というコメントが紹介された。
続いて、特定非営利活動法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパンから提出された、同団体が7月から8月にかけてクリエイターやコンテンツの利用者を対象に実施した一般規定についてのアンケート結果の概要を事務局側が説明。一般規定を支持する回答者が個別規定支持者の約3倍となる61%にのぼったことが明かされた。そのほか、日本知的財産協会、およびアマゾンジャパン、グーグル、ニフティ、ヤフーの4社も連名で「一般規定を導入すべき」との意見書を提出したことが報告された。
一方、事務局側は、これまでの各関係団体からのヒアリングを踏まえ、一般規定に関する今後の検討事項を整理した報告書案を提示。(1)権利制限の一般規定を導入する必要性、(2)仮に一般規定を導入した場合の検討課題--の2点について、それぞれ問題点や趣旨、留意事項などを列挙した。
また、今後の検討事項が多岐にわたることから、「権利制限の一般規定について集中的に議論したほうが効率がいいのではないか」(事務局)とし、同委員会の下に、新たに専門のワーキングチーム(WT)を設置することを提案。全会一致で可決され、座長には同委員会でも主査を務める土肥一史氏が指名された。
WTのメンバーは、同委員会の委員や外部の見識者から今後座長が任命する方針。同委員会のこれまでの会合では、一般規定の導入に積極的な中山信弘委員と、反対派の松田政行委員による意見の攻防が度々繰り広げられてきた。WT設置を受け、松田氏は「この委員会においては、私と中山委員の対立があったことは事実。そこを抜きでまず意見をまとめようということだろう」と発言した。
一方、今後の委員会の方向性について、主査の土肥氏は「一般規定を置かない場合にどうやって対応するのかを打ち出さなければならない」と提言。そのほか「問題点はかなり煮詰まってきたので、WTで集中的に審議するのはいいと思う。議論する材料は出てきているので、個々の問題に対して答えをはっきりさせると同様に、ほかの制度との体系性にも留意すべき」(青山善充委員)、「米国のフェアユースを引き合いに、その中でメリット、デメリットが論じられることが多かった。しかし、日本の国内法にいて権利制限を論じることを忘れてはいけない」(上野達弘委員)といった意見が述べられた。
同委員会では、今後、WTで整理された結果をもとに、さらに審議を続けていく方針。また、「政府の『知財計画2009』では、一般規定に関して一定の結論を年度内にまとめることになっている」(文化庁著作権課長の永山裕二氏)とのことで、2010年3月末までに最終報告書を作成する。
「文化庁法制問題小委員会」
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