シスコシステムズ、四半期決算--売り上げ増加するも景気低迷を実感

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年11月06日 12時40分

 テクノロジの主導者であるCisco Systemsは米国時間11月5日、2009会計年度第1四半期(8-10月期)に金融危機と経済減速の影響を強く受けたことを説明し、今後の見通しの厳しさについて語った。

 Ciscoの最高経営責任者(CEO)であるJohn Chambers氏は決算発表の後で行われた電話会議において、アナリストや投資家らに対し、金融危機と経済不安を受けた顧客の買い控えにより、第1四半期における直近の2カ月で企業向けの売り上げが大きく低下したと説明した。

 Chambers氏によると、同社の米国顧客に最初に見られた不景気の影響はその後、西欧諸国の顧客に広がっただけではなく、新興国やアジアの顧客にまで広がっているという。同社の米国における売り上げは、1年前と比較して8%低下している。また、Ciscoの主要な収益源である大規模企業への売り上げは、2008年度第1四半期と比較して11%も落ち込んでいる。

 Chambers氏はまた、ウォール街の金融危機が最高潮に達した10月の売り上げが、8月に比べて大きく落ち込んだとも述べている。

 Chambers氏は「8月はかなり良かった」が、「9月はそれほど悪くなかったものの、10月にはずいぶんと落ち込んだ」と述べている。

 Chambers氏は、第2四半期になっても売り上げの低迷が続き、同四半期の売り上げ高が5〜10%落ち込むとの見通しを明らかにしている。

 見通しは暗いものの、Chambers氏は、インターネットを支えるルーターを製造している同社が、不景気を切り抜けられる位置に付けていると投資家らに納得してもらおうとしている。Chambers氏は同社が不景気に対する「戦略」をすでに立てており、その準備を行っていると述べている。また同氏は、Ciscoが過去5〜6回あった景気の下降時期を、いずれもより強く、優位に立つ会社として成長することで乗り越えてきたとも述べている。

 Chambers氏は「こういった難局に直面することは誰も望まないものの、われわれはこういった時期に競合他社よりも強い存在となってきた」と述べるとともに「またわれわれは、インターネットが次の局面に入ろうとしている時期にあって良い位置に付けている」とも述べている。

 良くないニュースにもかかわらず、Cisocは第1四半期決算でアナリストらの予想を裏切らなかった。同社によると、売り上げは前年同期の96億ドルから8%増加して103億ドルであったという。この伸びは同社の予想通りであり、アナリストの予想通りでもあった。

 しかし、売り上げが伸びたとはいえ、Ciscoの第1四半期の純利益は22億ドル(1株利益37セント)で前年同期(1株利益35セント)とほぼ同じであった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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