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ソフトバンクの営業利益が過去最高、経営不安説も一蹴
ソフトバンクは10月29日、2009年3月期の中間決算を発表した。割賦販売制度の導入で携帯電話端末の販売台数が落ち込んだものの、固定通信事業などのコスト削減で減収増益となった。世界的に金融不安の状況下、ボーダフォンジャパンの買収に伴い多額の借入金や2兆4949億円の有利子負債を抱えていることから同社の経営を不安視する声が市場にあるが、同社代表取締役社長の孫正義氏は「手元流動性は豊富で、2009年までに返還すべき社債はわずかだ」と一蹴した。
2009年3月期中間決算は、ソフトバンクモバイルの携帯電話端末の販売台数が前年同期から20%減少したことが影響し、売上高が同2.6%減となった。ただし、営業利益は同7.3%増の1800億円となり、過去最高益を記録している。子会社であるヤフーの利益が増えたことに加え、ソフトバンクテレコム、ソフトバンクBBでコストを削減したことが貢献した。
| 金額(円) | 前年同期比(%) | |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆3289億 | ▲2.6 |
| 営業利益 | 1800億 | 7.3 |
| 経常利益 | 1173億 | 5.5 |
| 純利益 | 411億 | ▲11.5 |
主力事業の携帯電話事業の売上高は、前年同期比5.0%減の7739億円、営業利益は同6.4%減の881億円。ユーザー1人あたりの平均月間利用額であるARPUは前年同期から630円、直前四半期から10円減少した4170円となった。ユーザーの第3世代携帯電話端末比率は9月末時点で83.1%。そのうち約半分がパケット定額サービスを利用しているとのこと。解約率は0.98%、買い替え率は1.91%となっている。「買い替え期間は30カ月以上に伸びている」(孫氏)
7月11日に発売したiPhoneの影響については、具体的な数字は上げなかったものの「ARPUは一般ユーザーの倍近い。立派に収益を伸ばしてくれるありがたい端末だ」とし、販売台数についても「予定しているペースの数が出ている」とした。
孫氏が現在最も重視しているキャッシュフローについては、割賦販売制度を利用して端末を購入した顧客の利用年数が2年を過ぎ、月額通信料の割引期間が終わることから、大きく増加するとみている。2008年3月期中間期のフリーキャッシュフローは2268億円の赤字だったが、今中間期は121億円の黒字となり、通期では1400億円になる見込みとのことだ。
また、手元流動性が4240億円、コミットラインの未使用枠が1010億円ある一方、2010年3月期までに償還する規模は普通社債、転換社債合わせて1840億円であることから、「十分な返済余力を保持している」(孫氏)と自信を見せている。
ソフトバンクモバイルはボーダフォンジャパン買収時に、ボーダフォンジャパンの公募社債を期限前に償還するため、750億円の債務担保証券(CDO)を抱えた。この証券は160銘柄からなり、現在そのうち6銘柄がデフォルト(債務不履行)になっているという。現時点では損失が発生しないが、7銘柄がデフォルトとなった場合は特別損失を約456億円、8銘柄以上がデフォルトとなった場合は約750億円を計上する必要があるとした。ただし、みずほコーポレート銀行から信用補完されていることから、ムーディーズでは公募社債の格付けに影響はないとしている。
このほか、孫氏は自身が19歳のときに立てた50年計画について触れ、「50代でビジネスモデルを完成させ、60代で後継者にバトンタッチすると言ってきた。ビジネスモデルを完成させるというのは、40代で投資した分をフリーキャッシュフローですべて回収し、軍資金を返済するという意味だ。後継者にバトンを渡すときには無借金の状態にし、キャッシュフローを健全かつ永続的に稼ぎ続けられるビジネスモデルを完成させる。インフラ事業のように、景気に左右されることのない、ダムに水がたまるようなモデルを築き上げる」と宣言。今後10年以内に現在の借入金や有利子負債を完済する考えを示すとともに、これまでさまざまな金融手法を駆使して資金調達したモデルを改め、事業で得た収益を元に事業を拡大する考えを示した。
このほか、ソフトバンクは通常業績見通しを公表しないが、「十分な情報がないことが不安を生んでいる」(孫氏)とし、2009年3月期、2010年3月期の通期連結営業利益の見通しを公表した。2009年3月期は3400億円、2010年3月期は4200億円を見込んでいる。ただし売上高については携帯電話端末の販売手法によって大きく変動するとして明らかにしなかった。
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