マカフィーの元法律顧問に無罪評決--ストックオプションのバックデート問題で

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年10月06日 18時27分

 セキュリティソフトメーカーMcAfeeの元法律顧問が米国時間10月3日、ストックオプションのバックデート行為に関する詐欺罪について無罪を言い渡された。

 2007年2月に起訴されたKent Roberts氏はサンフランシスコ連邦地方裁判所で、3件のうち2件の容疑で無罪を言い渡された。3件目の会計記録改ざんの容疑については、2週間に及ぶ審理の後、陪審員団によってさらに時間が費やされたが、有罪か無罪かの評決に至らなかった。そのためRoberts氏は3件目の容疑に関し再審される可能性がある。

 Roberts氏がストックオプションの不正バックデート行為の容疑で刑事訴訟にかけられた米国企業初の法律顧問であると、同氏を弁護する法律事務所は言う。「Roberts氏は長い間自分の無実を証明しようと、その道を探ってきた」とCooley Godward Kronish法律事務所の会長で主任弁護顧問のSteve Neal氏は声明で述べた。「われわれは陪審員団の判断に大変満足しており、その尽力に感謝していることを、Roberts氏に代わって伝えたい」(同声明)

 サンフランシスコ地方検察局がRoberts氏を起訴したときの発表によると、Roberts氏には「自分や他の者に付与したイン・ザ・マネー(オプションの行使時に利益が出る状態)のストックオプションの本質や真の価値について、Network Associates、取締役会、株主、監査役、一般大衆、米証券取引委員会(SEC)を欺いた」疑いがかけられていたという。

 バックデート行為とは、ストックオプションを付与した日付を株価が際立って低かった時点までさかのぼって操作すること。バックデート行為自体は必ずしも違法ではないが、企業は優遇価格のストックオプションの付与について、適切な公表と説明を行う義務がある。

 Roberts氏は当初2000年と2002年のバックデート行為関連の7つの容疑で起訴されていた。しかし、4つの容疑に関してはその後棄却されている。同氏は2006年5月に解雇され、McAfee経営陣の刷新が2006年10月に発表された。

 株の会計における不正な慣習の疑惑のため多くの会社に捜査の手が及んだ。News.comの発行元であるCNET Networksもそのうちの1社だ。

 Brocade Communicationsの元最高経営責任者(CEO)ともう1人の幹部はバックデート行為に関する罪で有罪判決を受けた。またBroadcom、Comverse、Monster、Take-Two Interactiveの幹部たちは罪状を認めている。また、そのほかの裁判は係争中である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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