Sony Pictures Television、Rocketboomと配信契約を締結

文:Caroline McCarthy(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2008年08月06日 16時18分

 Sony Pictures Televisionが人気ビデオブログRocketboomと配信契約を結んだ。Rocketboomは2004年から風変りなニュース放送を制作してきた。

 この配信契約(7けたドル規模といわれている)の契約条件に基づき、Sony Pictures TelevisionはRocketboomのすべての配信、広告販売事業を扱うとともに、Sony Pictures Entertainmentの動画サイト「Crackle.com」のプレーヤーをRocketboom.comのウェブサイト上で使用する(これまでRocketboomは同社のホームページにYouTubeのプレーヤーを組み込んで利用していた)。またソニーは、Rocketboomのビデオを家庭用ゲーム機「PLAYSTATION 3」など、同社のそのほかのプラットフォームでも配信する。

 Sony Pictures Entertainmentは2006年にCrackle(買収当時の社名はGrouper)を買収した。

 起業家であるAndrew Baron氏が創設したRocketboomは、女優のAmanda Congdon氏をキャスターに起用して有名になったが、Congdon氏は2006年に不利な条件のため番組を降板した。それ以来、Rocketboomは必死にオンラインメディアにおける新たな分野を模索してきた。Congdon氏の後任であるJoanne Colan氏は現在も出演している。

 Baron氏は自身のブログで、ベンチャーキャピタルを通じて資金調達を行わず、配信会社を模索する(ウェブビデオ業界では異例ともいえる)道を選んだ理由について、(Rocketboomを)手放したくなかったため、と説明している。Baron氏は、Revision3Next New Networksなど、ベンチャーキャピタルから資金提供を受けたビデオ配信の新興企業に言及し、次のように述べた。「これらのネットワークは、成長と変化を続けるウェブビデオ界に大変大きな価値をもたらしたが、今やそれらの企業はすべてベンチャーキャピタリストに支配されている。彼らが企業を所有する主な目的は、その企業の売却だ」

 さらにBaron氏は、ベンチャーキャピタルからの資金調達はビデオの品質向上にほとんど寄与しなかったと付け加えた。同氏は、「それらのネットワークを生み出したヒット番組は別として、これらのネットワークで放送されたほかの番組は、内容面で過去の作品に見劣りするものがほとんどで、新番組は放送開始直後に打ち切りになる場合が多かった」と述べる。実際、Revision3とNext New Networksも、新番組を立ち上げたものの、わずか数回の放送後、先細りしたことがあった。これも大手テレビ局なら対処可能だが、ビデオ新興企業にとっては致命傷になりかねない。

 Baron氏はブログで「われわれは、広告ソリューションを構築あるいは模索しつつ資金調達をする代わりに、世の中で最も卓越した広告ソリューションを手に入れた」とし、さらに「この契約により、配信手段が増えただけでなく、業務拡張の道筋も決まり、さらに(Sony Pictures Televisionから)保証も取り付けた。この保証は、この業界では過去に例のない契約だと考えている」と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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