盛り上がる子供向け仮想空間市場--ベンチャーキャピタリストも注目

文:Stefanie Olsen(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年10月11日 17時29分

 カリフォルニア州サンノゼ発--Disneyが2007年8月、仮想空間「Club Penguin」を3億5000万ドルで買収することを発表して以来、ベンチャーキャピタル(VC)は子供向けの3次元空間の価値を高く評価している。

 8年前から8歳〜14歳向けの仮想空間「Whyville.net」を運営しているNumedeonの最高経営責任者(CEO)であるJim Bower氏は、当地で開催されているカンファレンス「Virtual Worlds Conference and Expo Fall 2007」にて、「Disneyによる買収以来、生活が少し変わった」と述べる。Bower氏は、カリフォルニア工科大学でコンピュータ神経科学の教授も務めている。

 「確かに、VCからの電話が増えた」とBower氏は述べる。投資家からの買収提案を断ったことが少なくとも1回はある、と続ける。

 VCの食指が動くのは不思議でもなんでもない。最近の調査によると、この市場は大きく成長する可能性のあるという。調査会社のeMarketerは、今後4年で、インターネットを利用する3歳〜17歳の子供の半分以上が仮想世界を利用すると予想している。2007年には利用者数は倍増するという。

 大人向けの仮想世界でも、10歳前後の子供からティーンネージャーまでの子供の参加が増えている。たとえば、There.comの幹部もこのカンファレンスで、自分たちのウェブサイトの利用者のうち、急成長している年齢層は13歳以上だと述べている。

 Bower氏によると、子供が仮想世界に参加し、マーケッターがこの年齢層にリーチしようと投資した結果、Bower氏の事業は2007年に、300%増で成長したという。Whyville.netは教育の要素を取り入れているため、子どもに世界について教えるようなマーケティングしか受け付けていないとBower氏は言う。

 例えば、Whyvilleは先ごろ、Bankinterがスポンサーとなって銀行を開設した。Bankinterはスペインで5番目に大きな銀行である。この仮想世界内の銀行を通じて子どもが「クラム」と呼ばれる通貨を運用し、預金したり利息を得たりすることができる。開設してから、Whyville.net内で出回っているクラムのうち4つに1つが銀行に預金されるようになったと、Bowers氏は述べる。

 これはおそらく、VCが好むような投資回収率だ。

 複数のVCらが10日、当地でパネルに上がり講演することからも彼らが興味を示していることが伺える。Charles River VenturesやRedpoint Ventures、Scale Venture Partnersの幹部らが仮想世界におけるトレンドやビジネス機会について話をする予定である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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