日産はまず、「エコ運転アドバイス」というシステムを市場に投入する予定だ。同システムは日本で一部の自動車に搭載され始めたばかりで、2008年に全世界で発売される予定。エコ運転アドバイスは、トヨタのハイブリッドカーである「プリウス」表示パネルに似ており、自動車の走行に関する情報(例えば、画面を見ている瞬間の燃費はリッターあたり何kmか)や、ドライバーの運転の仕方(加速と減速を頻繁に繰り返しているか)などの情報が表示される。それらのデータは、所有するPCへのアップロードが可能で、自分と他のドライバーの運転を比較したり、自分の運転履歴との比較が可能だ。
また同システムは、燃費を向上させるための運転の秘訣も提供する。
初期のテストでは、ドライバーたちは同システムにすぐに興味を持ち、そのおかげで燃費はおよそ18%向上した。しかし、ドライバーたちはすぐにシステムへの興味を失った。そこで日産は、同システムの利用を持続させるため、航空会社のマイレージサービスのような報奨制度を検討しているという。
また日産は、日本で2000人のドライバーを対象にカーナビを使った衝突防止システムのテストを実施している。このシステムでは、道路沿いに設置された光センサが各自動車の現在位置に関するデータを収集する。そして、接近してくる車や交差点で近づいてくる車があると、ドライバーに警告を発する仕組みだ。
車が全く見えないこともある、と篠原氏は言う。
しかし、これらの事故、交通渋滞回避システムのネックは導入に時間がかかる点だ。例えば、事故回避システムの場合、多くの場所に光センサを設置する必要がある。日産によると、一部の都市ではインフラの一部がすでに存在するが、それはあくまで例外だという。
交通渋滞回避システムでは、自動車同士が携帯電話ネットワーク上でデータを交換する。しかし、そのためには路上を走行する多くの車がデータを提供するためのセンサを搭載する必要があるが、そのような車はまだ存在しない。結局、他の自動車メーカーもこの種のセンサシステムに参加する必要がある。
山下氏も、日産だけでは(同システムを)日本全国に普及させるのは不可能であると認めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」