ヤフー、新CFOに投資銀行家のジョルゲンセン氏を任命

文:Dawn Kawamoto(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年05月16日 16時12分

 Yahooは米国時間5月15日、次期最高財務責任者(CFO)にブティック型投資銀行Thomas Weisel Partnersの共同設立者Blake Jorgensen氏を起用したと発表した。

 Jorgensen氏は、1998年にThomas Weisel Partnersを共同設立した。同氏は、6月4日前後にYahooに入社する予定。現在CFOを務めるSusan Decker氏は、2006年12月にYahooのAdvertiser & Publisher Groupの責任者に任命された。

 Jorgensen氏の起用の背景には、最大のライバルであるGoogleに苦戦を強いられているYahooの苦しい状況がある。Yahooは中核事業である検索ビジネスでかつての優位性を失った。また同社は、人気ビデオ共有サイトYouTubeの買収など、いくつかの重要なビジネスチャンスを逃したと一般に認識されている。

 Yahooの最高経営責任者(CEO)であるTerry Semel氏はJorgensen氏の起用について次のように語っている。「われわれの既存の経営陣は金融に関する深い専門知識を有するが、(Jorgensen氏の)金融、経営、戦略に関する広範な経験はそれを補完するものだ。また、それだけの広範な経験を持つ同氏は、Yahooの経営陣にとって貴重な戦力となるだろう」

 Jorgensen氏は、Thomas Weiselでは最高執行責任者(COO)と投資銀行業務の共同ディレクターを務めていた。また、Thomas Weiselの前は、証券会社Montgomery Securitiesの法人金融担当マネージングディレクターを務めていた。

 Jorgensen氏は、「深く有用な経験のある」金融チームに参加できることを心待ちにしていると語った。

 Jorgensen氏はこれまで、企業の財務を評価して発表したり、買収に向け企業財務を買い手または売り手の視点から評価するといった業務を手掛けてきた。

 「特に大企業では最近、CFOの役割が単なる会計処理にとどまらない」と語るのは、Deutsche Bank North AmericaのアナリストであるJeetil Patel氏だ。「CFOは、さまざまな事業や企業買収によって得た基本的利益に目を配らなくてはならない。その点Jorgensen氏の投資銀行での経歴は、(CFOの職務の)戦略的側面だけでなく、金融的側面にも合致する」

 Yahooはこれまで、毎年多くの企業を買収してきた。最近では、自動オンライン広告取引所を運営するRight Mediaを買収している。

 A.G. Edwards & SonsのアナリストであるDenise Garcia氏は、「CFOという役職は常に多くの企業の合併買収に関与する。Jorgensen氏も今後、多くの合併買収に関わると見ていいだろう」と語った。

 Garcia氏は、Jorgensen氏の起用を評価しつつも、Yahooには新設されたoの責任者をまず決めて欲しかったと語る。

 Garcia氏は、「(Yahooが)Audience Groupの責任者を雇わなかった点が気掛かりだ(中略)視聴者部門はYahooの最重要部門の1つと言っても過言ではないだろう」と述べ、さらに次のように続けた。「Yahooは、他のどのサイトよりもリピーターが多く、視聴者との関係が強固だ。現在、その視聴者部門の責任者が不在であり、同社の強み(である視聴者との関係)の弱体化が懸念される」

 4月に行われた第1四半期の業績発表の席で、Semel氏は向こう数カ月以内に視聴者部門の責任者を決める予定だと語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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