So-net決算、過去最高の売上--ポータル事業は「トップニッチ戦略」でエンタメ注力

鳴海淳義(編集部)2007年05月11日 13時14分

 ソネットエンタテインメント(So-net)は5月10日、2007年3月期(2006年4月1日〜2007年3月31日)の連結決算を発表した。FTTH会員が増加した接続事業と、得意分野に集中したポータル事業が順調に推移し、過去最高の売上となった。

 2007年3月期は売上高が480億6600万円(前期比13.6%増)、営業利益が33億3800万円(同418.6%増)、経常利益が32億2900万円(同288.0%増)と、いずれも過去最高を記録した。純利益は、前期に株式売却益を計上していたため、79.0%減の22億800万円となった。

 接続事業は売上のうち323億8700万円(約67%)を占める。FTTHが好調で、ブロードバンド会員数が前年度末から18万人増加して101万人となった。一方でADSL契約の減少を1万件程度にとどめており、売上高は前期の277億6500万円から16.6%増となっている。

 売上の30%強を占めるポータル事業では、一部EC店舗などの不採算事業の整理を行った上で、ゲーム関連子会社などへの投資、CGMツールの開発といった施策を展開してきた結果、156億7900万円の売上を計上(前期比7.8%増)。吉田憲一郎社長は「2006年度で大きな投資は一段落した。今期はシナジーを作っていく年になる」と意気込みを語った。

 So-netの中期事業計画において、ポータル事業はキャラクター、アジアエンターテイメント、テレビ番組表などのエンターテイメントコンテンツを拡充する「トップニッチ戦略」を基本方針とする。あらゆる情報を集める大手ポータルに対して、得意のキャラクター、ゲーム、アニメ、CGMコンテンツビジネスなどで差別化を図りたい考えだ。収益は、写真や地図といったCGMコンテンツの広告商品化、SNSのB2B事業化などで確保する。ゲーム内広告の参入も検討しているという。

 接続事業は比較的安定しており、FTTH市場を確実に捉えること、獲得コストのコントロールがミッションとなる。2008年3月期の売上高は前年度比14%増を見込んでいる。

 中期事業計画の初年度となる2008年3月期の業績予想は、売上高520億円(前期比8.2%増)、営業利益44億円(同31.8%増)、経常利益48億円(同48.7%増)、純利益26億円(同17.7%増)を見込む。

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