「海外」意識した若き技術者の集う企業風土目指す--新生ライブドア本格稼動へ - (page 2)

島田昇(編集部)2007年04月03日 12時04分

会見中および会見終了後、CGM関連でCNET Japanが出澤氏に行った質問と回答は以下の通り。

--「PRAC」について聞きます。すでにブログやSNSの利用者は多数おり、mixiなど大規模な会員数を抱えているサービスも存在します。「サイトが軽い」というだけでは競争優位に欠けるのでは。そのほかに利用者のモチベーションを上げる仕組みなどが必要だと思います。

 そのほかには、「Ajax」を大幅に活用しているので、初心者でも非常に簡易に書ける形になっています。現行の「livedoor Blog」は玄人向けのサービスなのですが、「PRAC」は初心者にも分かりやすいインターフェースになっているので、ライトユーザー層を取り込みたいと思います。

画像の説明 ライブドア社長の出澤剛氏

 サイトの活性化については、いろいろな会社と提携してその商品が良いか悪いかについてレビューをする機能をつけ、書き込みや投稿によるコミュニティー化を進めていきます。

 プロモーションに関しては、ネットの世界なので大々的なプロモーションはせず、いろいろな人のブログを含めて口コミで広げていきたい。

--現行のlivedoor Blogは残すとのことですが、「PRAC」のサービス内容をお聞きすると、サービスを2つに分ける必要がないように思えます。

 システム移行が難しいという問題があるためです。現行サービスの良さもありますし、使い慣れている人のことも考えなければなりません。ただ、利用者の声を聞いて、将来的には(システムの完全移行を)考えるかもしれません。

--類似記事を分離、整理する展開を考えると、一から記事を収集するよりも今ある人やデータなどの資産を活用した方が魅力的なサービスになるはずです。

 確かにそれはそうなので、それは第2フェーズで考えています。

--システム移行はするということですね。

 そうですね。両方でつながるようにしなければ、当社のブログユーザー資産を生かせませんから。時期に関しては未定ですが、(ブログ利用に関する利用者との)規約の問題などをクリアにした上で、年内までには頑張りたいと思います。

--RSSリーダーについては、関連サービスも含め海外の競合サービスは多いです。海外展開しようと考える理由を教えて下さい。

 海外にもいいサービスはあります。我々が想定しているのは「Bloglines」「Google Reader」などがそうです。当社サービスの優位性としては、表示の速度やショートカットキーの多様性など細かいものまで見ていくと多数あります。

 海外製と日本製で良い悪いということはないと思っていて、プロダクトレベルで行くと勝てるものはあります。RSSリーダーは我々の中で自信を持って提供できるものなので、海外展開したいと思いました。

--Web 2.0系のサービスで成功すると、あっという間に利用者が数百万人という規模になることが多いです。会員数12万人というのはまだ少なく、国内でさえ今後の展開が読めないと言えます。

 今すぐということではなく、海外でも通用するネットの入り口的な存在になるのは2〜3年の期間で考えています。そのために今から海外展開していくということです。そもそも、Googleもああなるとは誰も思っていないときに、(成功を)信じてやっている人たちがいました。そういう位置づけで我々もRSSリーダーをやっていきます。

--現行の「livedoor Reader」と比べて何が変わりますか。

 たぶん、ドメインを変えると思います。ライブドアのサービスという位置付けではなくて、RSSリーダーだけで完結しているサービスとして展開します。ライブドアの名称を残すか残さないかは分かりませんが、ほかの「livedoor〜」という名称のサービスとは異なる位置付けになります。インターフェースはそれほど変わりませんが、livedoor会員の認証を取るなどはせず、別のログイン機能を設けて提案します。

--海外向けにどう訴求していくんですか。

 「digg」にあがって「TechCrunch」に取り上げてもらって嬉しいみたいな感じだと思います(笑)。まだRSSリーダーの利用者は数十万人の前半ではないかと思っていますし。

--では中長期的な優位性としては何が挙げられますか。

 作っているプログラマーが超優秀です。人に依存するのもよくありませんが、集まってきている優秀なプログラマーにチャレンジさせてあげたい。日本発で「海外にも行けるぜ」というものを作りたいし、そういうカルチャーのある会社にしていきたいです。(世の中的に)本当にネットの技術に特化して世界を狙っていきたいという若い人がいっぱい増えてきているので、そういう若者が集まる会社になりたいと思っています。

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