ブッシュ米大統領、予算教書で研究および監視費用の増額を求める - (page 2)

文:Anne Broache(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、高森郁哉、編集部2007年02月06日 16時45分

 またBush大統領は、1月の一般教書演説でも述べた通り、代替エネルギー技術の研究費用として予算を引き当てるよう議会に要求した。対象となる研究の例としては、太陽光発電やバイオ燃料の研究、さらに高性能バッテリ搭載のハイブリッド車や(家庭用電源で充電可能な)「プラグイン」ハイブリッド車の研究などが挙げられる。予算の割当額が最も多いのは石炭研究イニシアチブで3億8500万ドルが割り当てられている。次いで、液体水素燃料の研究に石炭研究と比べやや少ない3億900万ドルが割り当てられている。

 また、司法省と国土安全保障省向けの予算総額もわずかに増加しており、特に政府のスクリーニング検査、監視プログラムに重点が置かれている。

 Bush大統領は、国土安全保障省向けの予算の中に、いわゆる国境警備イニシアチブ(SBI)向け予算に10億ドルを盛り込んでいる。SBIには、モーションセンサ、赤外線カメラ、無人航空機(UAV)で構成される「仮想フェンス」の構築計画も含まれている。Bush政権は、この仮想フェンスが、不法入国に対する監視強化に寄与することを願っている。

 また大統領の予算案では、国土安全保障省のScience and Technology Office of Innovation向け予算が2190万ドル増額されている。同部門は、より弾力性のある配電網の開発や国境沿いに掘られた(不法入国用の)トンネルを発見するための技術を開発したいと考えている。しかしBush大統領の予算案では、同省科学技術局向けの予算総額は2007年度の8億4800万ドルから、2008年度は7億9900万ドルに減少している。

 また旅行者スクリーニングプロジェクト向けの予算も増額されている。ただ、同プロジェクトの一部は米国内で論議を呼んでいる。プライバシー問題に悩まされた航空機搭乗者プロファイリングシステム「Secure Flight」向け予算は、3800万ドル増額された。また大統領は、米国の当局者が、同国に入国する外国人の10本の指全ての指紋を記録、検査できるようにするシステムを実施するための予算として1億4620万ドルを要求した。現在、同国に入国する際には2本の指の指紋の記録、検査が義務付けられている。

 「テロの阻止、テロとの戦い」の旗印の下、Bush大統領は、司法省が実施しているさまざまなテロ対策プログラム向けに、2億2700万ドルの費用増額を求めた。要求の中には、「公共および民間ネットワークの通信傍受を安全に行うため」に3780万ドル、コンピュータの分析やデジタルフォレンジックに従事する捜査員のために2280万ドルが追加された。前年度の要求額は、それぞれ1790万ドルと1970万ドルであり、大幅な伸びを示している。

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