マイクロソフトとノベル、Linuxを巡って早くも仲たがい - (page 2)

文:Dawn Kawamoto(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2006年11月22日 11時48分

 Moglen氏はReutersに対し、「顧客が安全策を採ってRed Hatを捨ててNovellに移行するか、Red HatがMicrosoftと同様の契約を結ぶことを余儀なくされる」と語っている。

 Moglen氏は、NovellとMicrosoftの提携がライセンスに違反する可能性についても懸念を表明した。

 この契約では、MicrosoftがNovellに約3億4800万ドルを支払い、Novellは、MicrosoftがSUSEの顧客を特許侵害で提訴しないよう求め、5年の契約期間中に最低4000万ドルを支払うことになっている。

 今回の提携が大々的に発表された際、業界の複数の観測筋はこの蜜月が長く続くことに懐疑的な見方を示した。

 また、今回の提携はMicrosoftが自社の特許観をオープンソースの世界に押しつけるものではないか、との懸念が浮上した。オープンソースコミュニティーは知的財産を広範にわたって共有するシステムにより成り立っているが、Microsoftの世界はプロプラエタリなソフトウェアにより成り立っている。

 451 GroupのアナリストRaven Zachary氏は先ごろ行われたインタビューのなかで、今回の提携は法的保護について新たに考えさせるものだと述べた。

 Zachary氏は、「補償は数年前に大きな話題となっていたが、これが再燃したようだ。今後は不安が高まると思う」と語っている。

 別のアナリストによると、両社の言い争いは、し烈というレベルにはほど遠いという。

 CIBC World MarketsのアナリストBrad Reback氏は、「だれもが当然のこととして見ているはずだ。これは企業としての姿勢に過ぎず、提携はそのまま有効だ」と語っている。

 Bromberg & Sunsteinの特許専門弁護士Bruce Sunstein氏も同じ感想だ。同氏は、両社とも結果的にはこの提携からメリットを享受するとし、これを維持していく大きな動機があることを指摘した。

 Sunstein氏は、「Microsoftは、主にライセンスを販売したいと考えており、もし(Microsoftの幹部らが)その方法を見つけてLinux環境に参加できれば、それはそれでいい。根本的に、彼らは特許裁判には関心がない。関心があるのは、基本的にライセンスの販売だ」と語っている。

 Zachary氏は21日、MicrosoftとNovellの応酬は提携を急ぎすぎたことが要因かもしれないとし、両社の発表が、Red HatにLinuxのサポートを提供するというOracleの発表から1週間もたたないうちに行われた点を指摘した。

 Zachary氏は「Oracleが『Unbreakable Linux』キャンペーンを発表したことを受け、NovellとMicrosoftは何かを早急に発表せざるを得ない考えになったのかもしれない」と語っている。

 基本的には、OracleがRed Hatを標準Linuxとして認定し、NovellをSUSE Linuxとともに厄介な立場に追い込んだと、同氏は加えた。

 Zachary氏は「Novellは何か思い切ったことをしなければならなくなり、Microsoftの顧客に売り込むことで、大企業にも強いことを証明した」と語っている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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