ジミヘン未発表曲、IT関連特許とともに知財オークションに

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年08月29日 20時15分

 2006年秋にニューヨーク市で開催されるOcean Tomo主催の知的財産権オークションに、3Com、IBM、Creeといった企業の特許とともに、Jimi Hendrixの未発表曲「Station Break」の著作権とオープンリール式のオリジナルテープが出品される。

 「Station Break」は1966年に録音されたHendrixの初期の作品だ。初期とは、どのくらい前か。Hendrixは当時、まだJimiと名乗ってさえいなかった。この曲は、HendrixがJerry Simon氏と共同で作曲した作品だ。オークションの落札者は、楽曲のライセンシングやリマスター(再録音)は可能だ。このオークションに関してHendrixの遺族は反対している。

 特許専門のコンサルタント会社で、オークションを主催するOcean TomoのWendy Chou氏は次のように語る。「われわれは、Hendrixに関する3つの商品を販売する。『Station Break』のオープンリールテープ、HendrixがCurtis Knight氏と共同で録音した33曲の楽曲のマスターレコーディング権、Michael Frank Jeffery氏が所有するJimi Hendrixの全楽曲の権利、タイトル、所有権の3点だ」

 「Station Break」は、2回目となるOcean Tomo主催の大規模な知的財産権オークションに出品される。Ocean Tomoは、特許権の評価や販売支援を行う。知的財産権、特に特許の価値の評価は難しいことで知られ、Ocean Tomoはオークションの開催がその問題解決の一助になると考えている。またオークションという形式を取ることにより、知的財産権の売買がより容易になる。

 一方で、オークションは、購入した特許権で他者を提訴し利益を上げるための道具に利用される可能性があるとの批判がある。ただ、知的財産権ビジネスに関わる多くの人々は、一般的にはそれとは正反対の目的でオークションが利用されていると指摘する。例えば大規模なコングロマリットは、将来提訴される危険のある知的財産権を市場から除去するための手段としてオークションを利用している。また一部の発明家たちも、特許は発明の報酬を得るための手段だと主張している。発明家の中には、大企業とのライセンシング契約を獲得するために数年間交渉しても、結局決裂し無駄骨に終わることがある、と不満を漏らす者もいる。

 特許オークションは何年も前から行われているが、大抵、1社の企業が2、3件の特許を出品するに留まっている。Ocean Tomoは2006年4月にサンフランシスコで、幅広い企業からの多種多様な発明の特許を揃えた初の大規模な特許オークションを開催した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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