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芸術が無線センサーと出会うとき

2006/08/16 19:32
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 現実世界の中では、建物が建ち、電灯が灯り、そよ風が吹く。一方仮想世界は、携帯電話やビデオゲーム、監視カメラなどが生成した大量の情報によって成り立っている。

 2つの世界が出会うとき、アートが生まれる--Ashok Sukumaran氏はそう語る。

 「今日あらゆる場所に設置されている監視カメラは、さまざまな出来事や行き交う人々を記録することで、街のもう1つの姿を形作っている」と話すSukumaran氏は、Sun Microsystemsの応用研究開発部門であるSun Labsを拠点に活動するアーティストだ。「いったいぜんたい、こうしたデバイスはわたしたちの実際の生活にどのような影響を与えているのだろうか」(Sukumaran氏)

 Sukumaran氏は先週末、カリフォルニア州サンノゼで、Sun Labsにおける最新の作品を発表した。同氏はこの作品で、Sun Labsの「Sun SPOT(Small Programmable Object Technology)」無線センサー技術を活用し、仮想世界を描き出すという試みを行った。

 このプロジェクトには、「Park View Hotel」という名が付けられている。カメラを通しての「目線」が世界の見方を変えるという、しばしば使われる表現に着想を得たそうだ。同氏はこの表現の発想を逆転させ、世界から見た人のあり方を変えたのである。小さな公園の側に建つホテルに赤外線を当て、園内の通行人が地上200フィートのホテルの部屋にあるセンサーを動かすというアート作品で、このセンサーの作動によってホテルはライトアップされ、周囲の環境も変化するという趣向が凝らされている。

 Sukumaran氏が先週発表した双方向芸術の舞台となったのは、Cesar Chavez Plazaと同公園に隣接するSan Jose Fairmont Hotelである。Sunにとって同氏の作品は、単なる興味深いアート以上の意味を持っていた。コンピュータネットワークのような複雑な環境や、家電をはじめとする日用品に利用されているセンサー技術を、現実の生活の中で活用する新たな方法を示した作品だったからだ。

 Sun Labsのディレクターを務めるGlenn Edens氏は、「Sukumaran氏の作品は、テクノロジーに対するわれわれの理解とその影響力に関して、新たな側面を見せてくれた」と、声明に記している。

目には見えない光線が生み出すアート

 31歳になるSukumaran氏は、建築を学んだのちニューメディアアーティストに転身し、6年間活動を続けてきた。インドに生まれ、現在も同地に住んでいるが、ロサンゼルスにあるカリフォルニア大学で2003年にメディアアートの美術学修士号(MFA)を取得している。同年には、ロサンゼルスのLACMALabで開催された展覧会のプロジェクトディレクターを務め、複数の科学的教義を融合させて、デジタルアートとナノスケール科学の世界を切り開く作品の発表に尽力した。

 同氏は2005年9月にSun Labのアーティスト・イン・レジデンス制度を活用し、同施設での活動を経て、今回のPark Viewプロジェクトを完成させた。同作品は、先週末にかけてサンノゼで行われた「Inter-Society for Electronic Arts(ISEA) Symposium」に出品されている。

 Park Viewプロジェクトでは、目には見えない赤外線を発する、望遠鏡型の2対のデバイスが使われた。公園内に置かれた三脚に据え付けられているこれらのスコープからは、Fairmont Hotelの部屋の中がのぞけるようになっている。

 同ホテルの6部屋に、Sun SPOTによって接続が制御されている無線センサーが取り付けられており、人々はスコープを使ってこれらの部屋をスキャンする。スコープが発する赤外線が部屋内のセンサーを作動させると、部屋の照明が黄色や赤、青や緑に次々と変わる仕組みだ。ホテル内にいる人々の目には光線は見えないが、Sun SPOTがこれをキャッチし、照明の色をコントロールするのである。

 部屋の照明が黄色から青へ、さらに緑へといった具合に変化したときにスコープをのぞいている人がボタンを押すと、センサーネットワークが働いて、その照明の色が公園内に漏れ出すようになっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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