ハイテクパーク建設ラッシュにわく中国、その光と影 - (page 2)

文:Dan Ilett(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、長谷睦2006年07月07日 20時52分

 Mei氏は「自分が中国人であるために容易になっている部分がある。しかし、政府当局者の多くが外国人投資家を呼び込むために海外でかなりの教育を受けているのも事実だ」と指摘する。

 「私にとっては、話は単純だ--(政府が)必要としていることを知って、協力し合う。それほど難しいことではない。しかし(ほかの地区では)江蘇省などの開発が進んだ地域と違い、恵まれているとは言えない状況に置かれた当局者もいる。そうした地域に行けば分かるが、そうした職員はやりたいことも、やる必要があることもわかっていない。まだ開発の途上にあるからだ」(Mei氏)

 現在、中国では北京や上海といった主要都市の企業が、事業の一部を常州のようなひとつ下のレベルの都市に移転する流れが起きている。こうした企業は、移転によるコスト削減効果を狙っているようだ。たとえば、中国の大手通信機器メーカーのHuawei Technologiesは常州から1時間、上海から2時間西方に位置する南京にまったく新しい施設を建設中だ。

 「これまで上海でほとんどの業務を行ってきたのは、上海が外国人投資家に最も適した場所だったからだ」とMei氏は話す。「しかし、上海当局はそれを当然だと受け止めるようになってきており、現在では名の知れた大企業にしか声をかけない。上海の市長が出てきて握手してくれるためには、進出企業の側もある程度以上の投資額が必要だ」

 「ただし、上海は中国の、もっと言うとアジアの一大金融センターとして、今後10年はサービス産業に的を絞る考えだ。市当局は工場を郊外に広げようとしており、そうした工場がすでに江蘇省に迫ってきている」とMei氏。

 江蘇省は、決して小さな地域ではない。同省の人口は約7400万を数える。また、蘇州や南京をはじめ、同省周辺には8つの大学が存在する。Mei氏やCurtin氏は、そうした大学が、労働力の大きな供給源になることを期待している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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