米地裁判事、Google Earthの仮差し止め請求を却下

文:Declan McCullagh(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年06月13日 13時13分

 Skyline Software Systemsが3D世界地図を作成する人気プログラム「Google Earth」の配信差し止めを求めていた件について、マサチューセッツ州連邦地方裁判所の判事が請求を棄却した。

 Woodlock地裁判事は米国時間6月9日、Skyline Software Systems(本社:バージニア州)が申請した仮差し止め命令の請求を却下した。Skylineは、Google Earthが同社の地形マッピング技術の特許を侵害していると主張していた。

 同裁判所のウェブサイトに掲示された通告によると、Woodlock判事は本件を担当する弁護士と電話カンファレンスを行い、請求の棄却を言い渡したという。本件では意見書は出されていない。

 この裁判は、Skylineが2004年5月に特許侵害のかどでデジタルマッピング技術企業のKeyholeを提訴したところにまでさかのぼる。Skylineのウェブサイトによると、1997年設立の同社は、「TerraExplorer」と呼ばれるものをはじめ、多数のマッピング製品を開発してきた。TerraExplorerを利用すると「ユーザーは3Dの地形やビル群のなかを自由に飛び回れる」と同社のサイトには書かれている。

 Googleは、2004年10月のKeyhole買収に伴い、同裁判の当事者となった。Keyholeは、何テラバイトもの情報と衛星写真や航空写真を駆使する双方向3次元マッピングソフトウェアを開発した。そして、この技術が2005年6月にリリースされたGoogle Earthのベースとなった。

 12日にはさらに、ユーザーインターフェースが簡略化され、画質も大幅に改善されたGoogle Earthの新バージョンがリリースされた。

 Skylineによると、Keyholeの技術はSkylineが2002年の終わりに取得した特許番号6,496,189を侵害しているという。同特許は「Remote landscape display and pilot training(遠隔風景表示と飛行訓練)」という表題で、「3次元の地形描写データをレンダリングエンジンに提供する手法」に関して書かれている。

 Skylineは、裁判の解決までGoogle Earthの販売や配布を禁止する仮命令を請求した。本格的な審理は2006年中に開始される見込み。

 一方のGoogleは、2月に提出した申立書のなかで、SRI Internationalが作り出した技術などを引用し、「地球の衛星写真を提供したのはSkylineが最初ではなかった」と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]