不正ソフトによる年間損失額は4億6700万ドル--MS英国法人の海賊対策責任者に聞く - (page 2)

文:Andrew Donoghue(ZDNet UK)
翻訳校正:尾本香里(編集部)
2006年05月23日 17時42分

--偽造の被害が最も多いソフトウェアは何ですか。

Alexander氏:現時点で最も多いのは恐らくWindows XPです。次に多いのがWindows Server 2003だと思います。しかし、Windows 2000や64ビット版Windowsの一部も被害に遭っています。また、VisioやProjectといったアプリケーションも標的にされています。違法業者たちは総じて、これからリリースされるOSの1つ前のバージョンの販売数を最大化する戦略を取ります。よって現在は、Vistaの発売が近づいていますので、XPやOffice 2003の偽造が増えています。

--Microsoftは4月に、Windows Genuine Advantage(WGA)プログラムの運用を開始されました。WGAでは、同プログラムに登録し、所有するWindows製品を登録すると、より多くのツールが利用できますが、登録しない顧客は一部のダウンロードが利用できない仕組みになっています。しかし、運用開始直後に複数のハッカーがその仕組みをまんまと回避しました。現在はその抜け穴はすでにふさがれているのですか。

Alexander氏:世間では常に新たなハッカーが出現しています。WGAはあくまで任意のサービスです。ポップアップを消して、サービスに加入しないことも可能です。加入しなくても主なダウンロードは利用できますが、Windows Defenderなどは入手できません。ただ、その場合もセキュリティパッチは全て入手できます。WGAに加入しないことによって不利益を被ることはありません。

--Microsoftのライセンシングモデルが若干時代遅れであることが、海賊問題の1つの原因であるとはお考えになりませんか。Google(のビジネスモデル)によって、人々は広告を読む代わりにサービスや製品を無料で入手できるという考え方に慣れてしまっています。Microsoftもそのようなビジネスモデルを検討しているのですか。

Alexander氏:当然検討しています。われわれは常に市場に対して3〜4年先んじるよう努めています。したがって、そのようなビジネスモデルについてもしっかりと議論しています。

--ZDNet UKは最近、OSがインストールされていないPCの購入がいかに困難かという問題を大きく取り上げました。このなかでMicrosoft、特にAlexanderさんご自身が、OS非搭載PCは海賊行為を助長するから販売すべきでないと、いかに再販業者を説得したかについても取り上げられています。現在もこの考えは変わっていませんか。

Alexander氏:たしかにOSが入っていないPCがあれば、多くの人々が必死に購入しようとするでしょう。しかし第一に、私はOSを搭載しないPCにはさほど興味は持っていません。

--この職に就いてから9カ月が経ちますね。偽造品ソフトウェアを人々が買わないようにするために、今後はどのようなことを実現する予定ですか?

 Alexander氏:偽造品ソフトウェアを売買することの影響の大きさを、人々に理解してもらいたいと思います。これはとても難しいことですし、逆にMicrosoftが非難されてしまうこともあります。しかし、これはマーケットリーダーの宿命でもあるのです。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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