データマイニングの第一人者がマイクロソフトへ移籍

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年05月16日 12時21分

 検索分野で力を持っている人の誰もが、Googleに入るわけではない。

 大規模かつ分散化したデータベースから一定の傾向を読み取るデータマイニング技術を開発したことで知られるRakesh Agrawal氏がIBMを退社し、MicrosoftのSearch Labsのテクニカルフェローに就任した。

 大手技術企業は長年にわたり、他社が抱えるトップクラスの科学者を勧誘することに腐心してきたが、最近の検索およびコンピュータ科学分野においては、Googleがそうした活動で最も大きな成果を上げている。例えば、同社がMicrosoftからKai-Fu Lee氏を引き抜き、中国の研究施設の主任に任じた件は、訴訟沙汰にまで発展した。Googleはまた、Amazon.comに在籍していた検索技術専門家Udi Manber氏も獲得した(さまざまな肩書きを持つ著名人のVint Cerf氏もまた、Googleに入社している。Cerf氏はGoogle出社第1日目にカラフルな帽子と式典用のローブを身にまとった)。

 IBMの研究者としては最高のポジションであるフェローに就任していたAgrawal氏は、データ抽出およびデータベース分野における名高い科学者の1人である。折しも、米政府が通話記録を調べるのにデータマイニングを利用していることが明らかになり、同技術には大きな注目が集まっている。もっとも企業では、顧客の行動パターンを把握したり、自社ウェブサイトのトラフィックを増加させたりするために、何年も前からデータマイニングが用いられている。

 一般的な認知度は高くないものの、IBMは検索分野で大きな影響力を有している。同社は、映像検索エンジンを初めて開発した企業の1社であり、2006年3月には検索企業Language Analysis Systemsの買収も行っている。Language Analysis Systemsは、データベースに保管されている人名と綴りが異なっていても、対象となる人物を絞り込むことが可能な技術を提供している。

 Agrawal氏は数週間前にMicrosoftに入社したが、公式には発表されていない。Microsoftは2006年1月に、当該のSearch Labsを開設した。

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