ハイテク技術でアメリカズカップに挑戦するBMWオラクルレーシングチーム

文:Stefanie Olsen(CNET News.com)
翻訳校正:緒方亮、福岡洋一
2006年04月06日 20時25分

 サンフランシスコ発--ワイヤレスでクルーにデータを送る技術、超小型ディスプレイを搭載したサングラス、カーボンファイバ製のセール。BMW Oracleレーシングチームはこうしたハイテク技術を駆使して、2007年開催のアメリカズカップで栄誉を米国に奪還しようとしている。

 しかし、これはほんの一部でしかなく、ほかの技術はすべて秘密にされている。

 米国時間4月5日、ここ、ゴールデン・ゲート・ヨット・クラブで、BMWは27tの挑戦艇の設計と製作に使用したテクノロジの一端を披露した。この船体は、BMWとソフトウェアの大手Oracleなどがスポンサーとなって建造された。ただし、ヨットの構造と注ぎ込まれた技術の詳細は、競技で不利にならないようにとの配慮から「スカートに隠しておく」と、BMWのリサーチ・アンド・テクノロジ・グループでディレクターを務めるRaymond Freymann氏は述べた。

 「技術者にとってこれは挑戦だ」と、ドイツのミュンヘン在住のFreymann氏は話す。「市街地を走行するのとは違い、これはレースなのだから、限界まで挑戦する」

 BMWの目標はボートの剛性--動的外力に対する強度--を最大に、重量を最小にすることだとFreymann氏は語った。社内開発のコンピュータによるデザインシミュレーションを駆使し、BMWはキールとバルブをカーボンファイバ、アルミハニカム、マイラー、鋼鉄を組み合わせて製作した。Freymann氏によると、2006年に入って目標に向けて大きな前進があったという。

 「具体的な数値を申し上げることはできないが、最も軽量で最も強い船体を製作できた」と、ドイツ訛りの強いFreymann氏はかなりの上機嫌で語った。

 BMWとOracleがチームを組んで世界的に有名なヨットレースのアメリカズカップに挑むのは、これが2回目となる。2000万ドルから3000万ドル強の製作費をかけたこのヨットは、2007年のアメリカズカップでは唯一の米国代表だ。船体の素材はBMWの設計によるカスタム仕様で、Oracleはハードウェアとソフトウェアを提供する。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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